伐採した黒竹を竹虎工場に持ち帰っての切断です。大きさや竹の伸びなどを見ながら4mや2mなどの規格の長さに切断します。その後、枝を払ったあとの節部分を目打ちして取り除きます。そして油抜きをし、矯正作業で真っすぐにして、黒竹の製品にしていきます。
その規格の長さに切断した黒竹の先の末竹を、今度はまたいろんな用途に合わせて切断していきます。虎竹縁台の腰かける部分用の竹や袖垣の黒竹張の部分に使用する竹、枝折戸の横部分に使う竹など様々な用途に、これも大きさや伸び具合などを見ながらの切断になります。
伐り出してきた竹を、その竹を見ながらいろいろな用途に切り分けていくこの切断作業を、竹虎工場で一番大事な作業だと常々思っています。1本1本違う竹を、最適な用途に切り分けていくには経験と竹を見る目、そして工場内の仕事がわかっていなければできない作業です。
今の竹虎でこの椅子に座れるのは工場長とこの若い職人だけです。ちょっとした竹の大きさの違いなどで出来上がる商品の見え方が違ってくることや、何が今、一番竹虎工場で欲しい材料となるのかなど、まだまだ気づかない部分もありますが、この作業の大切さは本人もよくわかっています。
このあとの油抜きや矯正作業、そして商品作りを通して、自分が切断した仕事の是非がわかります。いろんな作業をしていくことで、見えてくることもたくさんあります。そういうことに気づいていって欲しいから、この大事な作業を若い職人に任せているのです。