日本唯一の虎斑竹の生産地である高知県須崎市安和にある竹虎は虎竹を主に扱っていますが、黒竹も扱っています。黒竹の二大生産地の一つである中土佐町は隣町であり、昔から黒竹の組合があり、最盛期は何十万本もの黒竹を生産していました。
黒竹は名前の通り黒っぽい竹で、昔から室内の装飾用や庭に植えたり、鉢植えにしたりと、その竹の美しさから虎斑竹と同じような用途で使われることが多いようです。また新竹は緑色ですが、1~2年目からだんだんと色が付いてくるのも同じです。
虎斑竹に比べると柔らかく、粘りがあるので、竹細工に使いたい方が多いのですが、大きさが直径2~3cmくらいのものが多く、節間も短いため。割り剥ぎをしてヒゴを作るのにはあまり向いていません。やはり黒竹は丸のまま使うことが多く、竹虎では黒竹すのこや虎竹縁台の座面部分、黒竹箒など、さまざまなものに使っています。
黒竹も虎斑竹と同じで、伐採する切り子さんの高齢化などにより、伐採する人が減っており、数年前から自分たちでも山に入って伐採をしています。色の付き方が虎斑竹と同じ感じなので、色付きや竹の年齢などを見ながらの伐採ですが、黒竹の方が細く、長さも短いために数段扱いやすいと感じます。
とはいえ細いためにかなり伐ったと思っても、束にすると思ったより少なく、トラック一車伐るとなるとかなりの本数を伐ることになり、枝打ちも含めるとかなりの時間を要します。
以前は切り子さんが出してきてくれた黒竹でしたが、自分たちでやることで伐採の苦労やありがたさがよくわかります。以前よりもさらに思いの詰まった竹たちを、大事に製竹し、商品にして、虎竹の里から送り出していきたいと思うのです。