梅雨の晴れ間の天日干し

土用干し,天日干し,えびら


梅雨の長い雨が続いています。この時期一番気を付けていることはカビ対策です。エアコンの効いている店舗や配送場でも出来上がったばかりのまだ乾燥しきっていない青竹踏みなどはうっかりするとカビがうっすら生えてしまうことがあるので、一日中扇風機の風を当てているくらい、管理には気をつけています。


エアコンなどない竹虎工場内は湿度も温度もそのままでカビの生えやすい環境になっています。とはいえ油抜きをした竹の表皮部分は固く、竹の油の膜があるために竹全体にカビが生えるということはありません。


生えるのは切り口や割り剥ぎした竹の身の部分です。この部分は柔らかく、吸湿性もあり、比較的カビの生えやすい部分なので、割ったままのヒゴや、柔らかくするために水につけておいたヒゴなどはしっかり広げて乾燥をさせています。


漬け込んだ梅干しを干す土用干しの時期をひかえ、えびらの製造も最盛期を迎えています。竹を編み込んだ生地はもちろんのこと、木枠に使う杉板も梅雨の晴れ間を見て、天日干しをしています。自然素材を扱うので当然のことなのですが、その素材の乾燥度合いなどでこの後の仕事の進め方も違ってきます。


近所の木材屋さんに無理を言って挽いてもらった杉板です。雨ばかりでなかなか乾いてなかった杉板もこれで少しは乾燥が進むと思います。乾燥できた杉板から優先的にカンナをかけ、えびら製造の準備にかかります。そうやって作ったえびらを土用干しに使ってもらえるようになる梅雨明けが待ち遠しい竹虎工場です。

まつりの準備

網代,竹編み,虎竹


毎年恒例のお祭りの準備が始まりました。新潟県内のあるお祭りの灯篭の骨組みの材料として、数年前から割竹をご注文いただいています。4mの竹を1~2cmほどに割り、節を取って発送しています。今年からは力をつけてきた若い職人に材料作りを任せています。


竹で骨組みを作り、それに紙などを貼るのですから、竹の種類や色は関係ないとのことでした。竹虎が主に扱っている竹は虎竹で、その虎竹で材料を取ると、費用的にも高くなってしまいますので、色付きの悪い虎竹では出荷できない物を使って製作しています。


地元の商工会や町内会などが主体で作られているようなのですが、最初に写真を見たときにはその灯篭の大きさや出来栄えや精巧な作りにすごく驚いたほど立派なものでした。


自分たちも小さいながらも毎年夏まつりや天満宮の秋の大祭などの準備に追われます。その上に年竹を使って骨組みをし、紙などを貼って灯篭を作るなんてとても考えられません。関係者さんたちの苦労はどれほどだろうといつも頭の下がる思いです。


でもきっと地域の伝統を守ることの大切さと、それを守っていく誇りで毎年のこの灯篭作りをされているんだろうなと思います。そしてそんな想いの素晴らしい仲間がたくさんおられて、きっと素晴らしい地域なんだろうなと思います。


それは毎年の担当者さんとのやりとりの中でも感じます。竹の材料を準備するだけですが、竹虎からずっと離れた地域の伝統を守ることに少しでもお役に立てることが嬉しいと感じる材料作りです。