来期の楽しみ

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虎竹の伐採シーズンも終わり、山に倒していた虎竹もすべて出てきました。その虎竹を土場で選別し、竹虎工場にすべて取り込み終わり、今期の虎竹の仕入れが終わりました。今年は比較的小さい竹の多い山に入ったため、大きな竹があまり出てこなかったのが来期への課題となりました。


虎竹を工場内に取り込み、それぞれの色や大きさ別の規格に切断も終わって、今は油抜きや矯正作業などの製竹が忙しくなってきました。その製竹作業の合間に今期入った山の整理に出かけました。


1月までが伐採時期と決められていますが、この山は早い時期に伐採を終わらせていましたので、久しぶりにこの山に入ったのですが、伐採時にそんなに色の付いてなかった竹に良い色がついてきているものがちらほらあり、すごく嬉しくなり、来期への楽しみが出来ました。


竹林を見て綺麗だと思うことはあまりないのですが、1本の竹を綺麗だと思うことはよくあります。ただ綺麗な竹がいい竹なのかは難しいところです。この竹も素直に伸びて綺麗な色付きはしているのですが、少し弱い気がします。ノコギリを入れるだけで、わかることもありますので、竹の伐採をしている者ならある程度わかることです。


次この山に入ったときに虎竹がまたどんな色付きをしているのか、伐採した竹が自分の思っているような竹なのか、いい竹に出会えるのかなど、そんなことを山に入る楽しみにしているのです。

製竹作業が本格的に始まりました。

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竹材の仕入れが終わり、工場内に取り込んだ竹材の製竹作業が本格的に始まりました。竹は真っすぐに伸びているイメージがありますが、思った以上に曲がっており、それをバーナーで油抜きした熱を利用して真っすぐに矯正しています。


矯正する際には熱を入れて柔らかくなった竹の節部分の曲がりを中心に繊維を伸ばしながら矯正していきます。矯め木と呼ばれる台にはいろんな大きさや角度に開けた穴が開いており、竹の大きさや矯め具合に合わせて、その穴に竹を入れて一節ごとに押していきます。


曲がりと言っても一節ごとに違う方向に曲がっていることが多く、その1節1節を真っすぐにしていくことで、できるだけ真っすぐになるように矯正をしていくのです。


温かいうちは伸ばした繊維も戻りがあるので、大きく曲がっている部分には水を付けて冷まし、少しでも戻りがないようにします。しっかりと繊維を伸ばしておけば、冷めてもまたある程度は伸びてくれるので、竹が熱いうちにしっかりと伸ばしておき、戻りがなくなるくらいに竹が冷めた状態で仕上げの矯正をしていきます。


熱の入りようによって繊維が伸びなかったり、柔らかかったり、硬かったりと様々です。それには熱の入れようが大事です。竹の乾燥度合や竹の身の厚さ、同じ竹でもそれぞれ違う性質をしっかり見抜いから、その竹に応じてしっかりと熱を入れていく必要があります。


熱が入っていなければ曲がりませんし、入れすぎると竹が焦げてしまったり、節の中の空気が膨張して破裂する場合もあります。矯正する人もいろいろな条件の中での技術が必要ですが、油抜きをし、しっかり熱を入れる人も同じです。結局は竹を知らないと何も満足に出来ないということです。


教えてもらったり、見ているだけでは決してわかるはずがありません。そのためにも工場の職人さんには毎日の作業の中で、竹に触れ、試したり失敗したりしながらいつも考え、気づきを繰り返しながら、自分たちの虎竹のことだけは誰にも負けないようになって欲しいのです。