店舗にご来店いただいたお客様から、以前にどこかの職人さんに作ってもらっていて、店舗に一つだけ残っていた箸置きが作れないかというご要望をいただきました。
最近ではインターネットでのお問合せが多くなってきましたが、こうして実際にお客様と顔を見ながら話をしていろんなご要望やご意見を聞けるのは新しい発見やこちらの課題も見え、楽しくもあり、勉強になることも多いものです。
どんなものでも初めて作るときはそうなのですが、簡単そうに見えるこの箸置きも実際に作るとなると、曲げ部分の厚さをどれくらいにすればいいかをいろいろ試行錯誤をします。曲げる部分が厚いとヒゴが折れてたり、小さくまとまりませんし、薄いと小さく曲げれますが、ほどけたり形が決まりません。
曲げる部分の厚さは1.5ミリにしていますが、そのまま曲げると折れるので3枚に剥いで曲げています。シンプルですが厚すぎず薄すぎず、微妙な竹ならではの柔軟性と張りを生かした箸置きです。そして虎竹ならではの自然の模様だからこそ、1個1個違った雰囲気の箸置きに出来上がるのです。