別注竹輪

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別注の焼板木戸を製作しました。ヒジツボで固定すると風情のある取り付けになるのですが、少し大きめの焼板木戸は重量もあることから、取り付けは丁番金具をお勧めしています。丁番で固定するには固定する柱が角柱でなければ固定しづらいですが、ヒジツボでは重さで釘が抜けてきて、次第に木戸が垂れてくるためです。


もう一方の開け閉めする方には簡易の鍵にもなる取っ手がついているものもありますが、こちらも金具で固定する方がしっかり固定できることから、金具で止められる方が多いようです。


しかし今回のお客様は竹輪での固定を希望されており、また止めるほうの柱が大きいこともあり、別誂えで竹輪を製作しました。直径22cmほどの竹輪ですが5回巻きつけて作るため、製作には余分も入れて4mほどの長さの竹が必要になってきます。


5mmほどの幅のヒゴ1本あればいいのですが、そのヒゴを作るにも1本の竹を割らなければいけません。また竹輪の大きさによってヒゴ幅や厚みを変えなければ綺麗な竹輪にならず、編んでみて綺麗にいかない場合、また幅や厚みを変えて製作します。


また竹輪は竹の張りを利用してがっちりと固定された竹輪になります。薄いヒゴにすれば編みやすく失敗もありませんが、張りの無い柔らかく解けやすい竹輪となります。適度に張りを持たせながら編める幅と厚みがあり、またそれに耐えうる材料の竹の選別も必要です。


このように竹輪一つとっても別注の商品は作ってみないとわからないことが多く、そこには自然素材を使って手作りで作るがゆえの難しさがあります。たった1本のヒゴから作る竹輪一つですが、製作には1本の竹を必要とし、そこには職人の経験と技術が詰まっているのです。