山で伐採され、選別をした後に竹虎工場に持ち込まれる虎竹はまずここで切断されて、工場内の各置き場所に保管されていきます。長い竹をその竹の大きさや伸び、色の良し悪しや、竹の良し悪しによって用途を決め、その長さに切断するのです。
のこぎりの向こうにある、木材や鉄のでっぱりに竹を突っかけるとそのでっぱりまでの長さにカットができます。短いものは50cmから、一番長いもので15尺(約454cm)まで、様々な規格の長さがあります。
切断するには竹を見て、その竹をわかることは当然ですが、そのいろいろな規格や用途を知り、それに合った竹をその規格の長さに切断するという判断力も必要です。入荷した竹をその竹に応じて最適な用途に切り分ける作業は、その竹を生かすという意味でも大切な作業です。
自分が子どものころには2代目社長である祖父が、いつもその切断台に座って仕事をしていました。今考えると、祖父もそれをよく分かっていて、虎竹と向き合う一番大事な責任ある仕事を、自ら進んでやっていたんだなと思います。
現在の竹虎では自分ともう一人の職人しか、この切断場で竹を切ることはできません。いつか一緒について仕事している若い職人がこの一番大事な、虎竹や竹虎の仕事を知らないとできないこの仕事をできるようになればいいなと、期待しているのです。