最近の中学校の修学旅行は以前の観光地を巡る旅行というよりも、体験型の修学旅行を取り入れているところが多いようです。虎竹の里のある高知県須崎市では、観光協会が中心となり、須崎での自然・文化・人々との交流を楽しむ体験型旅行を提案し、県外の中学校の修学旅行生を受け入れて、いろいろな体験をしてもらっています。
カツオの藁焼きたたき作り体験やドラゴンカヌー体験、り体験などのほかに、ここ須崎市安和にしかない日本唯一の虎斑竹での花籠作り体験もそのプログラムに入っています。
たくさんある体験の中から希望をだしてくれた中学生に、ここにしかない竹での花籠作りという経験と、最初は作れそうにないと感じる花籠を実際に自分で作ってもらい、修学旅行の記念として持って帰ってもらうという体験プログラムです。
時間をきっちり決められている修学旅行の日程の中で、花籠作り体験に充てられる時間は2時間ほどです。2時間という短い時間の中で12~15人ほどの生徒全員に花籠を完成させてもらうというのは、結構難しいことで、いつもギリギリまでかかってしまいます。
生徒さんの中でも、器用で理解の早い生徒さんもいれば、不器用でなかなか編み方を理解できない生徒さんもいます。そういう場合はどうしても遅い生徒さんに合わさなければいけないために、そういう生徒さんが多い時には、どうしてもマンツーマンで教えたりするために時間がかかってしまうのです。
でもそこは同じ学校の同級生ということもあり、分かった人が分かっていない人に教え、協力しながら楽しく作ってもらうようにしています。
簡単でもっと早くできる籠もありますし、そちらのほうが教えるのも楽なのですが、簡単にできる籠を作るよりも、できそうにないと思うような籠を苦労して作って完成させてもらうほうが、喜びも大きいし、意味のあることだと思っています。
今回の花籠作り体験は若い職人にメインで教えてもらう予定です。生徒さんに教えながらも、こちらもたくさん教えられることがあるだろうと、楽しみにしている花籠作り体験です。