籠の修理

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最近、籠を直せませんか?というお問い合せが多いような気がします。何十年も大事に使ってこられて、竹の色もいい色になり、場合によってはお母さんの時代から使って来たという物もありました。


以前は近所に竹細工を扱うお店や、竹細工を生業とされている方が多くいて、近くで修理をお願いされていたのかもしれませんし、今はインターネットがあり、調べれば修理のできそうなところを簡単に調べることができるからかもしれません。


全体が傷んで崩れるような籠は修理できませんが、一部が解けたり、穴が開いたりというような籠は修理ができる場合もあります。大事に使ってこられた籠が壊れ、困った末に竹虎を見つけてくれて、連絡をいただけたのですから、できるだけ修理はしたいと思っています。


写真を送って来ていただくことも多いですが、やはり実物を見せていただかないと、修理ができそうなのか、また直せるとしたら修理費がどれくらいかかりそうかなど、はっきりお答えできないことがほとんどです。


今回の籠を持ちこんで来てくれたお客さまは、2時間も車を走らせて、わざわざ持って来てくれました。かなり前の物らしく、いい色になっていましたが、縁を巻いている針金は錆びて切れており、四隅の補強竹は割れ、底の力竹は取れ、手の部分も金具が取れ、交差部分の何かで巻いていたものも取れていました。


しかし籠自体はまだまだしっかりしており、致命的な破損は見当たらなかったので、針金をステンレスに換えての巻き直しや、手部分の籐巻き補強や四隅の補強竹と底の力竹を作って差し込めば、まだまだ充分に使えると思い、修理をさせてもらいました。


修理というのは、その一部分のために一本の竹を割ったり、その籠のために普段使わない材料を準備したりと、思ったより大変材料を使い、手間のかかる作業となります。


しかしいい籠は大切に使えば何年でも使うことのできるものです。こうして修理をして、また使えるようにすることは、何かこの籠に再び命を入れられたような気持ちとなり、なんとも嬉しい修理となりました。