都忘れ

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都忘れは本州、四国、九州に自生するミヤマヨメナの和名だそうで、花言葉は「しばしの別れ」や「また会う日まで」だそうです。先日退社されたスタッフさんが事務所前の空いたスペースに、自分で土も買ってきてくれて、この都忘れという花を植えに来てくれました。


この方は庭いじりが好きで、休日にはいつも自宅の庭の草を引いたり、花を育てたりしているということをよく聞いていましたし、好きな花が都忘れということも聞いていました。竹虎にいる時も、駐車場の掃除や、植え込みの整理などを、いつも率先してやってくれていたような人です。


竹虎本社事務所前には「竹の子の、また竹の子の、竹の子の子の子の末も茂るめでたさ」と刻まれた石碑があるのですが、その裏にはほとんど何も植えられてない殺風景なスペースがありました。しかし事務所入り口ということもあり、気になっていたのですが、その方も気になっていたらしく、その場所に都忘れを植えてくれました。


乾燥を嫌う花と言うことで、毎日お水をやってくださいと頼まれた事務所のスタッフが毎朝水をかけて世話をしてくれたおかげで、都忘れが数日後には花を咲かせ始めました。


花とかには全く興味もない自分でしたが、毎朝出勤するたびに、その花を見ては彼女を思い出し、いつこの花を見に寄ってくれるのかと、花言葉の「また会う日まで」を思い出すのです。

籠の修理

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最近、籠を直せませんか?というお問い合せが多いような気がします。何十年も大事に使ってこられて、竹の色もいい色になり、場合によってはお母さんの時代から使って来たという物もありました。


以前は近所に竹細工を扱うお店や、竹細工を生業とされている方が多くいて、近くで修理をお願いされていたのかもしれませんし、今はインターネットがあり、調べれば修理のできそうなところを簡単に調べることができるからかもしれません。


全体が傷んで崩れるような籠は修理できませんが、一部が解けたり、穴が開いたりというような籠は修理ができる場合もあります。大事に使ってこられた籠が壊れ、困った末に竹虎を見つけてくれて、連絡をいただけたのですから、できるだけ修理はしたいと思っています。


写真を送って来ていただくことも多いですが、やはり実物を見せていただかないと、修理ができそうなのか、また直せるとしたら修理費がどれくらいかかりそうかなど、はっきりお答えできないことがほとんどです。


今回の籠を持ちこんで来てくれたお客さまは、2時間も車を走らせて、わざわざ持って来てくれました。かなり前の物らしく、いい色になっていましたが、縁を巻いている針金は錆びて切れており、四隅の補強竹は割れ、底の力竹は取れ、手の部分も金具が取れ、交差部分の何かで巻いていたものも取れていました。


しかし籠自体はまだまだしっかりしており、致命的な破損は見当たらなかったので、針金をステンレスに換えての巻き直しや、手部分の籐巻き補強や四隅の補強竹と底の力竹を作って差し込めば、まだまだ充分に使えると思い、修理をさせてもらいました。


修理というのは、その一部分のために一本の竹を割ったり、その籠のために普段使わない材料を準備したりと、思ったより大変材料を使い、手間のかかる作業となります。


しかしいい籠は大切に使えば何年でも使うことのできるものです。こうして修理をして、また使えるようにすることは、何かこの籠に再び命を入れられたような気持ちとなり、なんとも嬉しい修理となりました。