前回のブログで紹介した長い巻き竹を使って、牧野植物園さんに光悦寺垣の施工に行ってきました。牧野植物園といえば、高知が生んだ「日本の植物分類学の父」、そして日本唯一の虎斑竹を命名された牧野富太郎博士の業績を顕彰するために昭和33年に高知市に開園した植物園です。
牧野植物園さんには虎斑竹を移植させてもらったり、温室の中の竹の小屋を作製させてもらったりと、いろいろお世話になっていますが、今回は古くなった大きな光悦寺垣の改修の依頼があり、以前は白竹で作っていた光悦寺垣を今回は虎斑竹で新しく作ることになりました。
この光悦寺垣は緩い曲線を描いており、その上長いものは10mを超す長さがあり、一般的には孟宗竹で組む骨組みも、こちらは塩ビパイプを使用して、元口と末口の大きさの違いが無いようにしてあります。
またその上に巻く竹も1本物では届かず、両方から巻いてきて、途中でつなげるようにしています。技術的にはそう難しいものではなかったのですが、塩ビパイプを使ったので、格子を組む際に切り込みを入れながら組んでいかねばならなかったり、その塩ビパイプが見えないように裏側に竹を細かく差し込んでいく作業に手間取ってしまいました。
2組の光悦寺垣の間には金閣寺垣も施工しました。牧野植物園の栽培技師の方には「虎斑竹にすると締りますね」とお褒めの言葉をいただきました。こういう竹そのままを使った垣には、なおさら虎斑竹の存在感が際立ち、助けられてるなと改めて感じた施工となりました。