垣の施工

竹垣 袖垣 施工


お客様のお宅の垣が古くなったので、新しい物に作り替えたいとの連絡があり、採寸も兼ねてお話を伺いに行ってきました。そこにはL字の垣があり、コンクリートにパイプを埋めて、そのパイプの中に柱を埋めこんでいました。


新しく作らせてもらう垣も、そのパイプの穴に柱を入れて立てるしかないので、採寸はかっちりやる必要がありました。L字といっても直角のL字ではなく、少し開いていたので、角度は入念に確認し、お客様の希望もしっかり聞いて職人に伝え、製作しました。


施工と言っても、古い垣を撤去し、サイズ通りに作った垣を高さを合わせながら、そのパイプに差し込んで、コーキングを打つだけなので、現場で組んだりする垣よりはある意味簡単です。


でもそれは作っていった垣がそのパイプにぴったりと合ってこそであり、現場に持っていくまでは自分の採寸が正確だったか心配もあり、合わない想定もしながら、それに対応できる道具などは持って行きました。そう言う意味で、現場で組む垣は、その場で合わせて作れるので間違いがなく、柔軟な対応ができるという利点があります。


現場は勾配もあり、L字の角度も直角ではなく、高さを合わせるのにもミリ単位で埋め込む足の長さを調整しながら、高さのレベルを合わせていきました。無事にぴったりと合わせることが出来て、スムーズに取り付けはできました。


施工には若い職人を連れて行きましたが、お客様へのあいさつから始まり、言葉使いや動き方、考え方、最後の掃除など、いろいろな気づきがあったように思います。上手くは行きましたが、その中でも若い職人には反省点や自分に指摘されたこともたくさんありながらの施工でした。


いつもそうですが、お客さまのところに行ってやる施工は、仕事をさせていただいてありがたい上に、若い職人にはいろんな気づきをいただけ、自分としてもいろんな気づきをたくさんもらえる場でもあるのです。

灰吹

灰吹 灰筒 茶道 お茶 抹茶


灰吹は灰筒ともいい、煙管の灰を落とし入れるための竹の筒で、一服後に煙管の先を下に向けて、灰吹の縁にコツンと当てて吸い殻を落とす、いわば灰皿のような道具です。紙巻きタバコの普及で、今は煙管でタバコを吸う人をほとんど見なくなりましたが、時代劇などで、そのような場面を見た方も多いのではないでしょうか。


今の時代では考えられませんが、江戸時代には「客あればお茶より先に煙草盆」と言われるくらいに、お客さんをもてなす道具であった煙草盆の中に煙草に火をつける火入れや、煙草入れ、そして灰皿代わりの灰吹がセットされていたようです。


茶道では三か所にこの煙草盆が置かれるそうで、灰吹は茶席では通常竹が用いられ、直径一寸五六分(約45mm)の青竹を高さ四寸(約120mm)から四寸五分(約150mm)に切ったものが使われるようです。


青竹の灰吹をお探しのお客さまからのご依頼でしたが、正式ではないのでしょうが、虎竹の里ならではの虎斑竹で灰吹を製作させていただきました。直径と高さは規格通りにしっかり選別し、真っ直ぐ立つように底面をきっちり揃え、面取りをしてケバ立ちをおさえました。


この灰吹もそうですが、竹トラッカーや虎竹バックニューヨーカーなど、虎竹の里からは日本唯一の虎斑竹で作られた製品とともに、自慢の虎斑竹が世界中に旅立っているのです。