籠の角補強

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四角や六角に起こした籠の角は、実用品であれば使用中に籠の角が傷まないように底の部分の角を補強することが多く、またその角補強がされているかいないかによって、その籠の価値は大きく違ってくるように思います。


工芸品などはその籠の装飾の意味も込めて、十字しばりや虫止めなどといった籐かがりをして、装飾と補強を兼ねている場合もあります。また補強という意味の他にその籠の足といった意味もあり、その角補強で籠を安定させるという意味合いもありますし、茶道具などでは床や卓に傷をつけないようにという意味もあるようです。


虎竹買い物かご(だ円)の角の補強にこのような足をつけました。これは割った虎竹を火で炙り、熱を加えてねじりながらUの字に曲げ、差し込んだだけの簡単な角補強になりますが、竹が薄すぎると強度がなく、すぐに割れてしまいますし、厚すぎると強度は出ますが、うまくねじって曲げられません。


また差し込むだけで簡単に見えますが、簡単に差し込めるものは簡単に外れてしまいます。熱の入れようを加減して曲げすぎないようにしておき、少し開き気味のU字を縮めながら差し込んでいきます。そうすることでU字の開こうとする力が働き、かっちりと固定される足となるのです。


縁や縁巻き、手や角の補強など、しまい部分の仕上げの良し悪しによって、出来上がりの籠は大きく違ってくるのです。