真夏にバーナー

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毎年のことですが、年々夏の暑さが厳しくなっているように感じます。自分の年齢的なこともあるのかもしれませんが、夏の暑い時期の工場内の暑さは尋常ではなく、じっとしていても汗がたらたらと流れてくるのです。


それでも自分はまだ冷房のかかった事務所に座ることも多く、一日中工場内で作業している職人はさぞかししんどいことだろうと心配もし、彼らに申し訳ない気持ちで事務所に座ることも多いのです。


それともう一つ悪いなと思うことに、この真夏のバーナーがあるのです。秋から冬にかけて虎竹の伐採があり、山から伐り出した虎竹を選別して買い取り、順に工場内に取り込んで、色や大きさや竹の良し悪しによって規定のサイズにカットして、工場内に片づけていきます。


そしてそのカットした虎竹を、その竹によってバーナーの窯を使って油抜きしたり、あるいはその熱を利用して真っ直ぐに矯正したりする作業を製造の合間にやっているのですが、春から夏にかけては竹皮スリッパや虎竹縁台、えびらなど他の製品作りに追われ、どうしても後回しになることが多いのです。


今年もまだ少し油抜き矯正作業が出来ていない虎竹が残っています。4人がペアでやりますし、その中には自分も入るため、予定のある日や他の製造がある日はできません。製造状況や予定を見ながら、暑い夏に暑い工場内で、バーナーの火をつけての作業が待っています。

籠の角補強

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四角や六角に起こした籠の角は、実用品であれば使用中に籠の角が傷まないように底の部分の角を補強することが多く、またその角補強がされているかいないかによって、その籠の価値は大きく違ってくるように思います。


工芸品などはその籠の装飾の意味も込めて、十字しばりや虫止めなどといった籐かがりをして、装飾と補強を兼ねている場合もあります。また補強という意味の他にその籠の足といった意味もあり、その角補強で籠を安定させるという意味合いもありますし、茶道具などでは床や卓に傷をつけないようにという意味もあるようです。


虎竹買い物かご(だ円)の角の補強にこのような足をつけました。これは割った虎竹を火で炙り、熱を加えてねじりながらUの字に曲げ、差し込んだだけの簡単な角補強になりますが、竹が薄すぎると強度がなく、すぐに割れてしまいますし、厚すぎると強度は出ますが、うまくねじって曲げられません。


また差し込むだけで簡単に見えますが、簡単に差し込めるものは簡単に外れてしまいます。熱の入れようを加減して曲げすぎないようにしておき、少し開き気味のU字を縮めながら差し込んでいきます。そうすることでU字の開こうとする力が働き、かっちりと固定される足となるのです。


縁や縁巻き、手や角の補強など、しまい部分の仕上げの良し悪しによって、出来上がりの籠は大きく違ってくるのです。