虎竹の縁台作りが、竹虎工場内では最盛期を迎えようとしています。竹は涼しいというイメージがあることから、この縁台も冬場よりも春から夏にかけてのこの時期にご注文いただけることが多いのです。
竹は時期のいい秋から冬にかけて伐採し、その竹を工場内にすべて取り込んで、その竹の大きさや長さ、色付きの良し悪しや性格などに応じて、いろいろな用途に振り分けられて切断しています。
この虎竹縁台用の竹も丸竹のまま使うことから、大きさは当然ながら、割れにくそうな竹を選別していきます。また長さも1m、4尺、5尺と3種類ありますが、竹の両端に節をつけるため、それぞれの長さの両端にちょうど節がくるような竹をさらに選別してます。そんなことをしていると虎竹縁台に使える竹はそう多くはありません。
足は強度と割れを考慮して四万十ひのき使って組み上げ、長さに切り揃えた黒竹の両端の面を取り、数日水に浸け込んで柔らかくした四万十カズラで編んでいきます。竹細工は材料の竹を選別するところから始まっているのです。
先日、お客様のご要望で背負いかごに手を付けました。背負いかごは名前の通り、かごに手編みベルトをつけて背負えるように作ってあり、背負うことで両手が空くことから仕事の能率が上がり、また傾斜地や足元の不安定な場所での作業でも、両手を使って安全に進めることができます。
背負うためのベルト以外にも手で持てる取っ手もついてあり、かごを持ちやすいようには作ってありますが、両手持つ必要があり、こうして取っ手をつけることによって、荷物を入れたまま片手で持てるようになりました。
このかごにこうして取っ手がつけられるのも、頑丈な力竹が底から口の部分までしっかりと補強して、縁の部分が抜けないようになっている頑丈な作りだからこそです。
用途によっては荷物を入れる時に取っ手が邪魔になることもあると思いますが、実際つけて持ってみると、ビニールの持ち手がすごく持ちやすく、使い道が増えるように思います。インターネットのおかげでたくさんのお客様と繋がり、いろいろの声をもらえるおかげで、こうして気づかされることはたくさんあるのです。