寒さが来ん、色が来ん

寒さが来ん、色が来ん


今年も虎竹の伐採の時期がやってきました。温暖化の影響なのか、年々暖かくなってきたと言われますが、今年はまた余計に暖かいように思います。


例年ですと虎斑竹は10月ころからだんだんと山に入り始め、山道の草を刈ることから始め、竹を切り、枝を落としてから束にして、ある程度の量になったらまとめて山から下してきます。11月も終わりに近づいているこの頃にはもう何台か虎竹が出始めていないといけない時期です。


虎竹になぜ虎模様の色がつくのか、はっきりとはわかっていません。また虎竹の山は全部が虎模様のできた竹ばかりと思われている方も多いようですが、その割合は2~3割程度です。あとは色がほんの少しある竹や、まったく色の無い普通のハチクです。


虎竹は生えてきた時は青々とした竹なのですが、だんだんと虎模様がついてきます。その色がついてくる要素の一つとしてて寒さがあります。霜がおりて、ぐっと寒くなったころからだんだんと色がついてくるようなのです。


ですから以前からこの虎竹の里では寒さを待っているところがあります。切り子さんが山に入るタイミングもこの寒さに影響されることが大いにあります。「まだ山に入らん?」との問いかけに、「こんなに温いも」と返ってきます。寒いのは嫌いですが、毎年冬の寒さを心待ちにしているのです。