枝折戸とは丸竹で枠を組み、割竹を菱目に編みこんだ簡単な開き戸で、庭への入り口などによく使われるものです。また2枚をL字に組んで簡単な衝立にしたり、ベランダや庭でプランターの植物を這わせたりと、いろいろな使い方もできる大変便利なものです。
高齢ながらも、もう少しもう少しとこの枝折戸を編んでくれていた職人さんが引退し、この枝折戸を編めるのは今のところ自分だけとなりました。枝折戸に限らず、この人が辞めたらできなくなるという竹細工はたくさんあり、後継者育成と技術の伝承が課題としてあります。
編めるとはいえ、自分はこの枝折戸の編み方を誰にも習っていません。編み方自体は見ればわかるので、見たままで編み始めたら編めたのでそのままやっています。もちろん最初は綺麗ではないですし、時間もたくさんかかりました。少し手先の器用な方でしたら自分も編めそうだと感じる方もいるのではないでしょうか。
しかし編めれるというのと、製造として編むのは大きく違います。割竹を綺麗に剥ぎ、固めと柔らかめの竹を選別して、適した場所に使い、できるだけ折れやすい節が曲げのところにこないように調整しながら、また枠がゆがまないようにして編むのです。また当然ながらその上にスピードが要求されます。
編むのにまず一番分かりづらかったのはシュロ縄を結ぶ方向です。両面なので、規則正しく両方の面に結び目を見せる必要があり、編みながら交差した部分を結ぶ際に、その交差部分がどちらの面から結ばないといけないのかが大変分かりづらかったですが、今は法則を理解でき簡単にわかるようになりました。
綺麗に作るには編み目の枠を出来るだけ同じ大きさに揃えることです。また組んだ枠がゆがまないように気をつけなければいけません。それには編み台につけられた直角の木の枠に枝折戸を時々合わせて角が直角になるように編めているかを確認します。簡単なようですが、難しく、職人と呼べるレベルに到達するのにはまだまだ時間がかかりそうです。