黒竹玄関すのこという商品は、主に玄関に置いて段差を少なくしたり、玄関のアクセントして使っていただいている竹虎でも人気の商品の一つです。長さは約90cm、奥行き約40cm、高さは約7.5cmです。
しかし、考えてみれば玄関は各お家によって様々な形や大きさがあり、なかなか既成のものではしっくり置けないことも多いようで、最近では別誂えのすのこのお問い合せやご注文をいただくことが、多くなってきました。
すのこの足の部分は5.5cm×4cmの桧を40cmの長さにカットし、表面をベルトサンダーで綺麗にした後、高さ微調整用のアジャスターを取り付ける穴を開けます。その後に塗装をかけて仕上げています。
別誂えのすのこでも、奥行きと高さが同じであれば既成の足を使用できるので、それを使って製作しています。しかし、奥行きや高さを変えるとなると、足の部分からの製作となるため、桧の手配をしてから加工、塗装をするので、どうしてもお時間をいただくようになってしまいます。
この別注黒竹すのこは長さも短いですが、奥行きが44cmと、既成よりほんの4cm長い物となりました。足部分からの製作となりましたが、その4cmにお客様のこだわりを感じ取ることができます。この別注黒竹すのこがお客様のこだわりと期待に応えられ、玄関にぴったりと収まることを想像しながら、一つ一つ作っているのです。
竹を割るにはいろいろな方法がありますが、まず思いつくのが菊割りといって、丸い輪の中に数枚の刃がついている金具で、いっぺんに丸い竹を数枚の平たい竹に割る道具を思いつく方が多いのではないでしょうか。
1本1本大きさの違う竹を同じ幅で割ろうとすれば、大きな竹は割り枚数の多い菊割りで割り、小さい竹は割り枚数の少ない菊割で割っていきながら、割竹のだいたいの幅を揃えていくのです。竹虎にある菊割りも3枚割から22枚割くらいまでの菊割が揃っています。
この竹割り機は主に4mくらいまでの長い竹を均等に割るためのものです。以前は土壁の土台となる竹小舞用の割竹を割る機械として、大活躍してくれていましたが、今は枝折戸を編むための割竹や、袖垣の格子用の割竹を割るのになくてはならない機械の一つです。
均等に割ると言っても、ちょっとしたことで偏って割れることもよくあることで、菊割の真ん中に竹をあてがって、真っ直ぐに割っていくことが基本です。
しかし、そんなに均等に割れるわけでもなく、この機械で荒割りをするものは、あとで幅を揃えたり、あまり精度を問わないものに限ります。機械で割ることは効率的ですが、場合によってはそのあとの作業が大変になってくる場合もあります。
竹の性質も1本1本微妙に違います。自然のものを均一にやろうとすることには無理がでてきます。ほとんどが手作業で機械の入るところの少ない作業ですが、効率と精度、材料の良し悪しや、無駄の出来具合など、いろんなことを考慮しながらやり方を決めているのです。