竹には表皮部分に固いガラス質の皮があり、それが竹独特の艶となったり、虎斑竹や黒竹のように、その皮部分に色や模様がついている竹では、その表皮部分がその竹ならではの色合いを出しています。
竹細工での「磨く」ということは、その表皮部分を磨き包丁と呼ばれる湾曲した刃物で薄くそぎ落としていくことを言います。青竹や白竹では表皮の傷を削りとったり、乾燥を早めたり、経年変化が早くなることなどから、磨き加工をすることがあります。
また染色をする場合でも、表皮のつるつるした部分には染料がつきにくく、その表皮を剥いでおくと、その内側の繊維に染料が染みこみやすくなるため、色が付きやすくなるのです。
磨く竹は1~2日ほど水に浸けておき、表皮を柔らかくしておきます。そして節の出っ張った部分を竹割り包丁で削り取る節くりと呼ばれる作業で節の出っ張りを削っておきます。
竹をしっかりと固定するか、足などでしっかりと動かないようにはさんで磨き包丁で表皮部分を長く削っていくのですが、包丁を強く当てると傷になったり、節の部分で包丁が跳ねて、傷になったりすると、ヒゴにした時に折れやすくなるので、注意しながらの作業です。
なんでもそうですが、こういった最初の作業が、出来上がりの良し悪しを大きく左右するものです。この磨き包丁から籠作りは始まっているのです。