虎竹の出荷

虎竹の出荷


虎竹は秋から冬にかけてが伐採時期です。今の時期は山から下してきた竹を工場内に取り込んで、油抜きをし、あるいはそれと同時に内装材などにも使えるように真っ直ぐに矯正する製竹作業が本格化しています。


自分が入社したころは、職人さんも数十名もいて、それこそ一年中ひっきりなしに油抜きや矯正作業をして、虎竹を製品として出荷するために製竹作業をしていました。その中で一緒に作業をすることで、仕事を体に覚えさせることができたように思います。


見よう見まねでやることは誰でもできますが、ある程度の量や質をこなさないと見えてこない、わからない本当の技術というのは間違いなくあります。教えてもらっても、聞いてもわからなかったことに気がついて初めて、その作業が本当の意味でわかってくると思うのです。


もちろん、竹は1本1本違うので、それに合わせての作業にもなり、いつまでたっても完璧と思えることやすべて満足のいく仕事というのはできないものです。


今年も製竹された虎竹が、少しずつではありますが出荷されています。割り剥ぎされて籠に生まれ変わるのか、内装材として店舗や施設のアクセントとなってくれるのか、行先は様々ですが、虎竹の里からここにしかない虎竹をこうして発信し続けていけることは、ありがたいことだと思うのです。