竹には伐採に適した時期があります。一般的には秋から冬にかけてが伐採時期なのですが、竹の種類によって多少の違いがあります。竹は生える時は筍の状態で生えてきますが、その筍の生える時期が地方によって違ってはくるのですが、このあたりでは孟宗竹で3~4月、ハチクが4~5月、真竹では5~6月くらいとなっています。
それに合わせて、その数か月前から竹が水を上げ始め、筍を出すために養分を貯めはじめると言われています。そのためその時期に伐採すると竹が水を多く含んでいるため、竹が柔らかく、腐りやすく、また虫が入りやすいとされています。
しかし、最近の温暖化の影響でこの時期になっても暖かく、竹が水を上げており、あまりいい状態とは言えないのが現状です。また虎竹は原因はわかりませんが、霜が降りるくらいの寒さが来ると色がついてくるようで、寒くならなければ良い色が出ないなどとも、言われていますが、暖かいためにまだまだ色がついている竹が少ないようです。
誤解されている方も多いのですが、虎竹の山はすべてが虎模様の斑のついた竹ではなく、色付きのよい竹は全体の2~3割ほどしかありません。その少ない色つきの竹を年数を見て、また親竹を残しながら伐採するのには竹を見る目と経験が必要になってきます。
またその色つき具合などもその山の場所や地形や向き、日当たりなどによっても違ってきます。その山によって色が後でついてくるものや、早く切ってやらないと竹が日焼けやしらくもといった病気のようなものになりやすい場所など様々で、その山によっても切り方が違ってくる場合もあるのです。
この場所のように山の頂上で日当たりがよく、またすぐ下に道があるようないい場所はごく稀です。人が一人通れるような山道を30分もかけて上がっていかないといけないような場所もあります。いろんな山から、場所から、竹を伐採する切り子さん達の手によって、今年も虎竹が出てくるのです。