竹のお箸の材料にするには、厚みがあって、節間もそこそこ長い物が必要なため、大きくて厚みのある孟宗竹が使われることが多いです。箸に限らず、スプーンやレンゲなどのカトラリー類の多くも、できるだけ厚みがあり、平たい部分の多い大きな竹の材料が必要なために、孟宗竹が使われることが多いようです。
しかし、虎竹や真竹で作られた物には、虎竹の独特の模様の美しさであったり、真竹の綺麗な清々しさがあったりと、それぞれの竹のよさが出る一品となっています。
虎竹は大きい竹が少なく、また大きい物は虎の模様がつきにくく、直径が大きいものでせいぜい7~8cmしかありません。厚みも他の竹に比べて薄いためにお箸を作れるような材料は、ほんの一部です。
山から伐り出して、工場で用途に合わせて切断する際に、大きな厚みのある竹は選り出しておいて、虎竹削り箸などのお箸類や名人作虎竹耳かきなどの厚みの必要な材料とするのです。それぞれの竹の特性や素材を見て、最適な材料でのものつくりを心がけているのです。