虎竹の里のある高知県須崎市も梅雨入りしました。例年、梅雨に入る前に外に置いてある竹を取り込んだり、外の仕事をあらかた終わらせようとしていますが、今年も何とか落ち着きました。長い竹を扱う竹屋にとっては、長いままの竹を工場内に取り込むには、それぞれの用途や規格に合わせて切断していく必要があるので、まとめてではなく、少しずつ切断しながら取り込んでいます。
それでもこれからの季節に気持ちよく使っていただける虎竹縁台や黒竹すのこなどでは四万十桧を使用していますし、土用干し用のえびらには杉を一部使用していることもあり、材料として入荷した桧や杉を干したい季節でもあるため、梅雨は困りものの季節でもあるのです。
しかし、それよりもこの季節で一番気をつけていることはカビです。竹は吸湿性が高く、湿気をよく吸います。工場内に乾燥させて立てかけてある竹でさえ、時折カビがくる場合があるので、天気のいい日には倉庫の窓を全開にして、湿気のある空気の入れ替えをしなければなりません。
また青竹踏みや青物の籠などの無塗装の製品には管理に、より一層の注意が必要になってくる時期でもあります。出来上がったばかりの青々とした製品はとても綺麗で気持ちのいいものですが、青々とした色は水分が残っているという証でもあるので、じめじめした季節にはカビの注意も必要になってきます。
しかし、部屋の湿度を調湿してくれる竹炭をはじめ、さらっとした肌触りの竹皮健康草履など、じめじめした季節を少しでも快適に過ごしていただける商品はたくさんあります。青竹踏みや国産天然竹の快眠マットなど、無塗装の、自然素材の竹がゆえの肌触りのよさがあります。
お弁当が蒸れないランチボックスをはじめ、見た目や肌触りの涼しさでも、これからの季節に大活躍の竹製品はまだまだたくさんあります。竹の素材を理解して頂いて、ほんの少しだけ管理に気を付けていただいて、この梅雨からどんどん暑くなる夏に向けて、竹という素材で少しでも快適に過ごしていただけたらと思うのです。