一般的に虎竹玉袖垣などの袖垣は、まず孟宗竹で骨組みの枠を作り、格子を組んだ後に骨組みの孟宗竹に割った虎竹を貼り付けていきます。その後、ひしぎという呼び名の、丸い竹を少しずつ叩いて板状にしたものを貼ったり、黒竹の枝を入れたりしながら、袖垣を作っていきます。
今回作らせてもらったのは虎竹ひしぎ垣です。枠の中に格子や枝などは入れず、虎竹のひしぎだけで仕上げた袖垣です。形の変化や凹凸のない袖垣になりますが、虎竹の模様が全体に大きく、美しく見えた、すっきりとしたデザインの袖垣となります。
この袖垣は孟宗竹の枠の中にひしぎを入れて納めてしまう必要があるため、まずひしぎを貼っていきます。その後に孟宗竹の枠に細かく割った虎竹を貼り付けていくのです。普段あまり作ることのない袖垣も、こうして作る機会を頂いて作ってみると、虎竹の魅力を再確認するいい機会となるのです。