国産竹ざるが編み上がりました。竹本来の青々とした色が清々しい国産竹ざるです。3本とんで、3本すくうといった一般的な3本網代で編んだ部分は虎斑竹と同じ仲間の破竹で編み、縁部分は大きい孟宗竹で作っています。
網代という編み方は2本でも3本でもとんで、すくってを繰り返しながら1本ずつヒゴをずらしながら、ヒゴをきっちり詰めて編んでいく編み方です。目が詰まっている上に、重なっている部分が多いため、ヒゴの本数が大変多くいる編み方でもあります。
重ねて、詰めて編むためにヒゴの厚みが厚いと大変編みにくいのですが、編みやすくするために薄くしすぎてしまうと、張りがなく、立体感のないかごになってしまいます。またこのざるのように何かを入れて使用する際には強度も大変必要になってくるので、できるだけヒゴの厚みを厚くして編んでいます。
網代編みもそうですが、この竹ざるで難しいのは縁を付けることです。孟宗竹で大きな丸い縁を作り、この網代編みの生地に取り付けるのですが、この網代編みの生地は平たいままです。その平たいものを立体的に起こして縁を付けていくのです。それができるのが竹ならではの柔軟性なのですが、この起こして縁を付けていくいく作業は大変コツのいる、熟練な技術のいる作業なのです。
よく見かけるざるですが、この起こしの良し悪しでざるの形が決まります。今回入荷した国産竹ざるの綺麗にそろった形を見て、改めてこの職人さんの腕の良さを実感したのです。