竹の長さや大きさを測る道具にはメジャーをはじめ、竹の周りを測る「巻き差し」や割った竹の厚みや幅を細かく測る「ノギス」などがありますが、竹を選別するときに使う道具はこの「分差し」です。分差しと呼ばれるとおり、単位が1分となっている昔ながらの差しなのです。
今では正式なものではないですが、竹の取引には昔ながらの尺貫法での長さを今でも使っています。1分と言えば3.03mmで1寸で30.3mm、1尺で303mmとなります。昔ながらの分差しはもう少し小さいのですが、今となっては当然このような差しは別誂えになっており、これは大きな竹も測りやすくするために大きく使ったもので竹虎にも数本しかありません。
だいたいの大きさは見て、握ってみてわかるのですが、やはりきっちり選別する場合には竹にこの差しを当てて測ることも必要になってきます。竹の伐採時期になり、これを腰にぶら下げて、山から下してきた竹を選別するために土場にいる時間が多くなってきました。
気になった竹はその場で切り落としたり、カットするためにノコギリも必要です。竹のだいたいの長さを測るために出てきた竹で毎年15尺差しも作ります。ノコギリ、15尺差し、そして分差しが選別に必要な3点セットなのです。