竹虎工場にお越しになったお客様から、虎竹玉袖垣の曲がり部分を「この大きな竹を焼いて曲げているのですか?」と、よく聞かれます。その際には作りかけの孟宗竹で組んだ玉袖垣の枠をお見せして、「こうして竹に切り込みをいれてカクカクと曲げています。」と説明をしています。
これは口で説明してもなかなか分かりづらいので、こうして見ていただくのが一番です。それと同時にこの袖垣が骨組みとなる孟宗竹の枠に割った竹を貼りつけていることに驚かれる方も多いのです。1本の大きな竹を焼いて、熱を加えて曲げ、それを組んでいるだけだと思われている方も多いということです。
この曲がっている部分の骨組みは背中部分の3~4cmほどしか繋がってはおらず、竹が少し乾燥したり、弱っていたりすると、その部分が折れて使えなくなることもあるので慎重に曲げることが大切です。
既製品についてはこの切り込みの幅が決まっており、その通りに切り込むと、だいたい似たような曲がりになりますが、別注の商品になりますと職人の感覚や、やりながら微調整をすることになります。別誂えの商品については、こういうバランスなどの調整や、やってみないと分かりづらいことも多く、どうしても手間暇がかかってしまうのです。