この時期、竹虎工場内で毎週のように必ずやっている作業がこの竹皮スリッパ貼りです。竹皮スリッパ(下駄鼻緒)や竹皮健康スリッパ(鼻緒)など、草履職人さんに編んでもらった草履をEVAスポンジや桐下駄の台に貼り付ける作業です。裏がデコボコしている竹皮草履を軽くプレスして、裏を整えてからの作業となります。
竹皮スリッパ貼りに使う専用ボンドは凝固剤を入れて草履とスポンジに塗り、約2時間ほど置いた後に貼り付けるボンドです。またこのボンドは気温によって乾き方が全然違い、気温が低いとすぐ固くなってすごく貼りづらいので、できるだけ冬の間はやらないようにしています。場合によってはドライヤーで温めながら貼ることもあるくらいです。
この季節は気温が高いので少々時間を置いてもしっかり貼れるのでいいのですが、風が当たると表面だけが乾いてしまうために、あまり窓も開けられない状態なので、暑さと戦いながらの作業となります。
刷毛で塗って並べておいたものを乾いた順番に一つ一つ貼っていくのですが、手作りの草履なので左右の大きさが多少違っていたり、微妙に形が違っていたりするので修正しながら貼っていきます。
竹皮は、裏のデコボコした形状もそうですが、決して接着しやすい素材ではありません。なので後で浮いてきたり、剥げたりする事のないように職人は一つ一つ体重をかけてしっかり貼っていくのです。
こうして丁寧に貼り付けた後にEVAスポンジを鋸で粗切りし、それから熟練職人によりベルトサンダ―で一つ一つ形に沿って削っていきます。高速回転するベルトに竹皮が触れたり、スポンジ部分が余計に削れたりすると折角今まで製造してきた苦労が台無しなので非常に神経を使う作業です。こんな工程を経てやっと皆様にお届けできる商品として完成するのです。