竹皮下駄の鼻緒をすげる

竹皮男下駄


竹皮男下駄や竹皮女下駄、竹皮右近下駄などの下駄には桐下駄の台に竹皮が貼ってあり、夏でもさらっとした柔らかい履き心地で、また履いていくうちに足になじんで履きやすくなるために、この季節には竹虎でも人気商品の一つとなっています。


この下駄に貼る用に竹皮草履職人に型を持って行って、竹皮草履を作ってもらっていますが、とても難しいらしく、なかなか型通りには出来てきません。また平べったい桐下駄の面に貼るためには、竹皮草履の裏面もできるだけフラットに出来ていないと、綺麗に貼ることができないために、余計に難しくなってしまい、今は腕の良い一人の職人さんだけにお願いして作ってもらっています。


そんなに大量には出来ない上に、この下駄は鼻緒が選べるようになっているために、ご注文頂いてから鼻緒をすげるようにしています。下駄をすげる担当者がおりますが、注文が多い時などはたまに自分でも鼻緒をすげる時があります。下駄をすげる場合に一番気を使うのはやはり前の親指と薬指で挟む前ツボと呼ばれる部分の調整です。


鼻緒の先の縄をねじて、それを輪にし、その中に縄を通して固定するので、微調整が難しく、たまにやると左右対称や微妙な長さ加減に一苦労することもよくあります。しかしこの鼻緒をすげるという作業は、鼻緒のすげ具合を気にいって頂けるかと少しの心配もあり、また履いて頂いたお客様の笑顔を思い浮かべながらの楽しい作業でもあるのです。