夏に近づくと竹虎人気の商品の一つに虎竹縁台という商品があります。虎竹で枠を作って、足は四万十桧で頑丈に作ります。座る面には隣町の中土佐町産の黒竹を並べた竹虎のオリジナル商品の一つです。今年も家庭画報さんにも取り上げていただいて、多くの方にご愛顧を頂いています。
この虎竹はその材料用にカットしたものなのですが、虎竹縁台には長さが3種類あり、1m、4尺(約120cm)、5尺(約150cm)とあります。なんてことない節止めでカットした竹に見えますが、その3種類の長さの両方で節止めをする必要があるために、その長さで両方に節がくる虎竹を選別しておく必要があるのです。
どうして節止めをしておくというと、竹はどうしても乾燥などによって割れが生じてくる恐れがあります。割れがきても、針金などで縛っていただくと全く強度的に問題はないのですが、できるだけ割れにくくするためにも節止めにカットしているのです。
大体、虎竹縁台に使う虎竹の直径は1寸5分前後(4.5cm前後)ですが、たくさんある虎竹の中から、その大きさで、その長さで両方に節のくる虎竹はそんなに多くはありません。自然のものなので節の位置や間隔も当然違っていますし、虎竹自体も出来るだけ割れにくそうな竹を選別しなければいけないからです。
だから虎竹縁台用の虎竹は、山から下ろしてきて土場に広げて1本1本選別作業をする際に、抜きだしているのです。それを工場に持ち帰り、油抜きをし、真っ直ぐに矯正をした後に、節止めにカットして、やっと製作にとりかかれるのです。なんてことのない1本の虎竹縁台用の竹ですが、製作は虎竹が山から下りてきたその瞬間から始まっているのです。