竹虎工場のすぐ後ろには太平洋が広がっています。工場横にはその太平洋に流れ込む川が流れていますが、その川辺には少しですが黒竹が生えていて、仕事の合間や通りかかった時には私たちの目を楽しませてくれたり、ホッさせてくれたりしています。その黒竹が今年も新しく生え出しました。
虎竹もそうなのですが、最初のうちは黒竹もこんなに青々とした竹です。竹は成長力の強い植物として有名ですが、数か月で大きく成長して、親竹と同じ大きさになります。生えた当初の竹は青々として、まだ柔らかく、触るとブヨブヨしているのですが、それがだんだんと身が入って、堅くなり、そして2年目くらいからだんだんと色もついてくるのです。
もちろん、それには個体差があって、色の良くつく物や、薄いもの、すぐに日に焼けて白っぽくなるもの、竹の厚みが薄くて弱いものなどなど、マチマチですが、それが自然の色の良さであり、不思議でもあり、作ってできない魅力的な色だと感じています。
竹皮の下から枝らしきものが延びているのがおわかりでしょうか?竹皮の下にちゃんと枝になる部分が格納されており、この竹皮が落ちると、枝が横に広がり、延びて、葉をつけるのです。だから竹の枝のついている部分の上の幹にはその名残の溝がついているのだと、勝手に理解をしています。
こういう成長の過程を見ていると、本当に竹も生きているんだと実感できて、親しみも湧いてくるものなのです。