「エクストリーム大熊」四国ブートキャンプ2日目は、日本唯一の虎竹林からだ。細く急な山道を登ってもらい、竹林での仕事の片鱗を感じてもらう。大変さと同時に、美しい竹林で持続可能な竹の事を少しでも知ってもらいたい。
それにしても2月とは思えないような温かさ、菜の花の咲きそろう田舎道を竹林に向かって歩きながら、今まで自分が思った事もないような話を聞かせてもらう。メモしたいなあと思って探していたが無いのでスマホで自分にメールした(笑)。
虎竹の伐採は1月末までだが、まだまだこれから竹林から山出しされる竹が道沿いに積まれている。一束肩に担いでみたが、伐ったばかりの竹は水分が多くて重い!この重量感を知ってもらいたくて、力持ちの男性にも試してもらう。長い竹は重たいだけではない、バランスが大事で力だけでは持てないのだ。
古来、日本人と竹とは密接な関係があり、衣食住全てに竹があったなどという事は遠い昔の事だ。現在ではご年配の方ですら竹に触れた事のない方もいる。
日本三大有用竹に数えられる孟宗竹、真竹、淡竹の違いや、虎竹の伐採方法、管理についてお話しする。いつも以上に熱心に聞いていただく皆様に、たとえわずかでも竹に対する関心が沸いてくれればいいと思う。
竹虎本社工場に帰ると、さきほど見た竹林の竹が油抜きの製竹加工をされている最中だ。
こうして竹林から、実際に竹の加工、竹製品の製造、そして販売まで一貫してご覧いただけるのが竹虎の良さのひとつかも知れない。自分達にしたら当たり前だけれど、さきほど竹林にあったこの地域ならではの竹が、ここで既に製品になろうとしているといのは実は物凄い事だと思う。
竹ざるの編み方を少し体験してもらいたいと思って教わっていたが、やはり見た目に簡単でも実際やるとなる大変だ。職人の技術はやはり素晴らしい。
工場には修理の竹籠が届いていた、昔なら近所の竹職人さんにお願いしていたものが、近年そうもいかず竹虎にお送りいただく機会が増えている。愛着のある竹籠を直してお使いいただきたい方がおられる限り、できるだけ対応していきたいと思う。壊れた籠も加工性の高い竹なら何度でも何度でも手直しできるのだ。
環境に優しい素材の竹だが、こうして蘇えさせる事が大事で、お使いいただく方も愛着が沸くのだ。
好天に恵まれていた2日間だったが、休憩時間には竹トラッカーもご覧いただいた。
青竹踏みは慣れないうちは座って使うのも一つの方法だ。早速お試しいただいて慣れない竹林や竹工場見学の疲れを癒して欲しい。
最後の参加者の皆様の感想は、竹虎全社員に聞いてもらった。自分達の良いところも、直すべきところも、外側からご覧いただく方の意見が参考になる場合が多い。谷中修吾さん、黒田敦史さんはじめ大熊インキュベーションセンターからお越しいただいたスタッフの皆様にも感謝したい。
最後の記念撮影では、かつての日本では一家に一台はあったのではないかと自分が思うほど、当たり前にあったもの今回の若い皆様では誰一人としてご存知なかった青竹踏みを手にしてくれていた。これは嬉しい。
わずか2日間だけれど、とてもそんな短い時間とは思えないような濃厚そのものの「エクストリーム大熊」四国ブートキャンプだった。一番勉強させて頂いのは、間違いなく自分でした、ありがとうございました。