365日作務衣のボクが、好きが高じて30数年のお付き合いのある玄照堂さんでオリジナル作務衣を作ってもらっている。初めは皆様に販売する事など思っていなかったけれど、お客様のお問い合わせが多いのでお分けしているうちに、すっかり定番となってしまった。
しかし、竹虎は作務衣店ではないし、作務衣なら玄照堂さんで他の種類などもあるので購入いただければ良いと思うのだが、案外と皆様に好評のようだから面白い。背紋の竹虎ロゴマークのせいだろうか?
YouTube動画の中でも話しているが、週末だけに着用される一般の方であれば、一着あれば一生色落ちを楽しみながら着られるのではないかと思う。ただ、身体を動かす仕事などに着るとなると別で、ボクのようにまるでパッチワークのように当て当て布をする事になるかも知れない。それでも、一着あれば大丈夫だろう。
(ちなみに動画の中で鳴いているウグイスは本物です)
さて、ところで、30着ある作務衣の中で最近一番気に入ってるものがある。それが、奄美大島の伝統技術である泥染めを施した作務衣だ。鉄分を豊富に含む泥と植物染料を用いることで、奥行きのある独特の色味が生まれている。実は、十数年前から泥染めも着ていて既に4着目なのだが、最初の泥染めは製法が違っていて色落ちが早く、本当にこれが泥染めだったのか?と言われるくらい白っぽい色になってしまった。
白っぽくなった作務衣も、また味があるのでOKだけれど、洗濯しすぎで生地が弱くなっている(笑)。その後、今では廃版になっている縞模様や、ピンチェックも着てきたが、最新の藍染作務衣を泥染めしたものが最高にイイ感じだ。ボクが30数年前に初めて買った、まさに江戸時代の藍を再現すべく作られた作務衣があるのだけど、少しそれに似ている。いや、まだ着こなしが足りないので、今後どう育つかは分からない。けれど、泥染めして蒸し加工を施した生地の色合い、色落ち、なかなか渋い。
まだ動画にできるほどでもないので、もう少し時間が経ってから撮るつもりなので、お好きな方だけにご覧いただきたいと思っています。
坂本龍馬、中岡慎太郎、武知半平太という土佐の偉人の像がたつのは高知駅前の、こうち旅広場。週末には楽しいイベントが開催されて旅行客の方にも好評の高知観光の玄関口だ。さて、ここで初めて開催されたテレビ高知の番組「キテレツが咲く」と高知青年会議所がコラボレーションしたキテレツ文化祭に竹虎も参加させてもらっていた。
土曜日の早朝、寒空の下、誰もいない虎竹の里の工場からスタート。先の世界竹会議台湾での走行のために、バッテリーを積み替えたばかりとは言え、この気温の低さ(温度が低いとバッテリーの減りが早い)と久しぶりの長距離単独走に緊張していた。
この日の走行動画がないので、何かないかとYouTube動画を探していたら、あった!チャレンジラン横浜で、1000キロの道のりを11日間かけて走った末にたどり着いた世田谷ベースでの所ジョージさんの激励動画。東京まで走った事を思えば、高知駅までなんて、どうという事はない(笑)。
ところが、やはり予想どおり満タンにしていた電気が高知市内に入ると心もとなくなってきた。そう言えば、いつだったか同じルートで走ってきて途中のジーパン屋さんで充電させてもらった事を思い出した。こうなれば、どこか途中で停まれば民家でも何でもお願いして少し電気をお借りしよう...。
電源など全く見当たらない箱根峠や高知から松山の間の三坂峠ではないのだ。自分に言い聞かせながら、ギリギリ最後の一目盛りになって、会場のこうち旅広場に到着!
初めての開催なので、どんな催しなのかと思っていたキテレツ文化祭は、FUJIWARAのお二人や、僕が見たかった青空の西森杏弥さんはじめ、デハラユキノリ、安藤桃子さん、柴田恵介さんら番組のレギュラーの方も参加されて大盛況。
竹トラッカーも、お子様に気に入ってもらえたり、海外からの観光の方に写真に収めていただいたりと、ハラハラしながら乗って来たかいがある人気ぶりで安心した。
さて、ところで今回の走行の途中で、ひとりの女性にお声をかけてもらった。
仁淀川大橋のたもとにある老舗レストラン「ブリッジ」の方だった。実は、このレストランには、思い出がある。全寮制だった明徳中学生の時、事情があり母と二人で自宅まで帰った事があった。明徳には車がなければ、バスと小さな渡船を乗り継がねばならない、寒い日に母は一人で迎えに来てくれた。そして、同じように小舟とバスを乗り継いで帰るのだけれど、船着き場からのバスでは直接自宅には帰れない。いちど、土佐市で乗り換えるのだが、そのバス停前にブリッジはあった。
待ち時間にエビフライ定食を食べた、打ちひしがれていたボクは、味も全く覚えていない。あれから一度も入った事のないブリッジは、残念ながら今年閉店されてしたまったそうだが、ご主人と二人三脚で接客されていた奥様と言葉を交す事ができて、あの夜の遅い夕食を昨日の事のように思い出した。50年近く前の事だから、人生の道中も面白い。
この日の様子は、テレビ高知「キテレツが咲く」本日12月18日(水)よる7時から放送予定です。
さて、本日は高知の皆さんにお知らせしたい、とっておきのイベント情報だ。来る12月7日(土)、テレビ高知さんの人気番組「キテレツが咲く」のメンバーも参加する「キテレツ文化が、高知駅前のこうち旅広場で開催されるのだ。安藤桃子さん、デハラユキノリさん、柴田恵介さんなど、番組でおなじみのメンバーが勢揃いし、笑いあり、驚きありの楽しいパフォーマンスを繰り広げてもらえるそうだ。
デハラさんの、来場者みんなで創るペイントアートや、とらっくよさこいと、旭食品のよさこい演舞、もち投げは12時と15時50分の二回予定されている。そして、お笑いコンビ「FUJIWARA」のお二人、大注目のアイドルグループ「僕が見たかった青空」のメンバー、西森杏弥さんも特別ゲストとして参加されるとの事なので、会場はさらに盛り上がること間違いない。
また当日は、メンバーによるスペシャルステージやトークショーを楽しめるだけでなく、高知の特産品や美味しい地元グルメが並ぶ物産ブースなども用意されているので、番組ファンにも初めての方にも楽しめる内容が盛りだくさんだ。
「キテレツが咲く」スピンオフ番組なのだろうか?「キテレツが咲く」の公開収録も行われる予定。小さなお子様からお年寄りまで、ご家族やお友達と一緒に楽しむのにぴったりなイベントになっている。開催時間は朝10時から午後4時までで、アクセスも便利な高知駅前のこうち旅広場。年末に向けての楽しいひと時を「キテレツ祭」で過ごしてみませんか!?
そうそう、竹虎からは今年も世界竹会議台湾の会場で大いに走らせてもらった、日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」を展示させてもらう。
第4回日本和文化グランプリ授賞式・トークセッションは、東京港区にある国際文化会館・岩崎小彌太記念ホールで開催された。和文化とは何か?を突き詰め、審査員の方が「過酷な審査」と話されるように3段階の鑑査と審査を受けてようやく辿り着いた会場だった。それなら、竹虎の空気清浄機「竹風」がギリギリではなかったかと思うが、良くこれだけの審査をいただき通過する事ができたものだと改めて思った。
衰退が否めない和文化の持続可能な仕組みを構築・確立したいとの思いから日本和文化振興プロジェクトは発足したそうだ。日本の伝統文化を守りたいという、皆様からの熱く本気な姿勢は、お越しいただいていた紀州徳川家の第19代当主徳川宜子氏の挨拶にもにじんでいた。
奨励賞の賞状を授与いただくのがモデルの秋元梢さん。日本和文化グランプリには、驚く程沢山の高名な方がお集り頂いていた。
東京オリンピック・パラリンピックや、来年開催される大阪万博で日本文化を世界に向けて紹介する機会は多いようだが、実は日本伝統の工芸は暮らしから遠く、モノ作りの空洞化は皆様が思っている以上に深刻だ。そんな現状を憂いている方々が多い証ではないかと少し嬉しかった。
授賞式・トークセッションの後、ユナイテッドアローズ名誉会長の重松理氏の乾杯の挨拶で懇親会がスタートした。
グランプリの木工作家・平井健太氏はじめ、授賞された皆様の作品も日頃ふれる事のない素晴らしいものだった。改めて日本の自然素材や暮らす人々の感性の豊かさも感じる。当日は来場の方が多くて、作品をゆっくり拝見できなかったので後日工房を訪れてみたいと思った。
審査委員長の江戸蒔絵10代継承・三田村有純氏には、シュリンクする日本の竹文化への強い応援の気持ちを感じて勇気づけられた。
日本人と竹は、数千年に渡って親密な関係だったのに、プラスチックが普及したわずか数十年で急速に変化した。竹に触れたことのない世代が大人になり、竹の事は一からお伝えしないと誰も知らないのが今の日本だ。
世界竹機構(World Bamboo Organization)から、日本で二人しかいない世界竹大使に任命されているけれど、竹のエバンジェリストとした時に救いがひとつある。
それは、日本の皆様が竹を知らないのではなく、本当に忘れているだけだと言う事だ。
皆様一人一人のDNAには、しっかりと美しい竹の光景が刻み込まれていて、きっかけさえれば竹に開眼される方も多い。
ちょっとだけスポットライトを浴びて、はにかんでいる竹風。
結局、竹虎四代目が一日後退すれば、虎竹の里が一日後退する。一日進めば、一日進む。それだけだ。
日本和文化グランプリとは、一般社団法人日本和文化振興プロジェクトが開催するアワードイベントで、伝統的な和文化を継承しつつ、次世代に向けたメッセージ性を有している、優れた技術、技法、思想を有している、現代のライフスタイルにあった使い方を提案している、未来の伝統に繋がる現代の高い技術やアートワーク、といった点を評価して和文化に携わる国内の企業・団体・個人の日本が誇る優れたプロダクトを顕彰されるものだ。
今回、竹虎の空気清浄機「竹風」が、日本和文化グランプリ奨励賞を見事に受賞させて頂いた。本日は東京は国際文化会館の岩崎小彌太記念ホールで受賞式だが、高知がルーツの岩崎家であり、叔父の名前が虎弥太なので、前から親近感をもっていた方の名前を冠した場所だから楽しみに思っている。
実は、さらに「竹風」への審査委員講評を頂戴している大倉源次郎(能楽小鼓方大倉流十六世宗家)氏は、全く違う遠い世界の方のはずだが、この受賞が決まる少し前にたまたま対談を拝見させてもらっていた。650年以上の歴史があり、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている伝統芸能「能楽」だけに、この方の興味深く面白い歴史観とお話に引き込まれた。しかし、まさか、このような形で関わって頂けるとは歴史も不思議だが、今日のこの時も未知にあふれて楽しいものだ。
来年は、EXPO2025大阪・関西万博が開催される。思えば前回の大阪で日本万国博覧会が開かれたのが1970年だから54年も前の事だ。万博記念公園には今でも岡本太郎の太陽の塔がそびえているけれど、あの場所で家族と撮った写真がアルバムに貼られている。今回の万博は、大阪市此花区の夢洲で「いのち輝く未来社会のデザイン」、あの少年時代に感じたワクワクするような躍動する時代感がきっとあるはずだ。
そんな、せっかくの機会に展示のチャンスをいただけるようなので、世界竹会議でメキシコや台湾まで運んで走らせてもらった、虎竹電気自動車「竹トラッカー」が出動する(笑)。
それはそうと、大阪万博の古い写真を見ていて、いつも思うのはボクの被っている帽子だ。EXPO70と書かれた、色々な国の民族衣装を着た人たちが並んだ国際色豊かなものを買ってもらい、いつも愛用していた。万博の会場はもちろん、高知に帰ってからも毎日毎日被っていて、白い帽子が真っ黒くボロボロになっても使っていた。
ある時(確か小学校4年生)、校長室に呼び出された。一体何だろうと思っていたら、「その帽子を、いい加減に捨てなさい」と校長先生に諭されたのを今でも覚えている。モノを大切にする事は、誉められそうなものだが、それ以上に見すぼらしくなっていたのだろう。ボクは幸せものだ、良い思い出を沢山いただいている、初代宇三郎も祖父や父が笑っている。
エルメス表参道店に入って二階へ続く階段を見上げると、本田聖流さんの作品が飾られている。もしかすると、オブジェがあるけれど一体何で創作されているのか?お分かり頂けていない方もいるのかも知れない。それくらいモダンで、竹とは遠いように感じられるが、ご本人が「竹が自分で形になった」と話されるくらい、竹のしなやかさ、伸びやかさ、軽やかさを活かした作品だと思う。
本田さんの作品を、初めて実際に拝見したのは、2019年にパリのケ・ブランリー美術館で開催されていた「 空を割く 日本の竹工芸」だった。
出発の数日前に、偶然にも一枚の新聞の切り抜き記事を頂いて本田さんにお会いしたくなった。
鹿児島という所は、明治維新から重要な役割を果たしてきた地域だ。戦国時代まで遡っても飛び抜けた人物を生んできた興味のつきない県でもある。孟宗竹が大陸から伝わった土地であり、孟宗の竹林面積が日本一という事で、竹の本場とも言える場所だが、本田さんはそんな鹿児島のご出身だった。若い頃からの苦労などが記事に書かれていたので、ボクが竹と関わる中で疑問に思っている事の答えをご存知なのではないか?そんな期待をずっと持っていた。
高知の古老の職人が、竹ざるの事を「サツマ」と呼ぶお話しは何度もさせてもらっている。土佐と薩摩の竹文化の交流を、伺い知る事ができるけれど、まだまだ不思議に思う事が多い。お忙しい本田さんに時間を取っていただいて、ようやくお会いする事ができ、祖父や父と親交の深かった渡辺竹清先生や塩月寿籃さんと三人でゴルフに興じる仲良しと知り親近感を持った。
けれど、本田さんが若かった頃の鹿児島の竹については、あまりご存知なかった。独特の竹文化や、九州、四国との技術交流など、竹籠を触れば様々な推察が頭をよぎるけれど、本当のところは藪の中だ。
早朝の雨の中、カーブの続く山道を登って行くと霧だ。小鳥たちも寒さで震えているのだろうか、物音ひとつしない静かな谷間に游文富(Wen Fu Yu)さんのインスタレーションがあった。この大きな建物全体を竹編みで囲ってしまっているのか、これは凄い。
近づいて見てみると高さもあり、ずっと向こうまで続く竹の壁が大迫力だ。長野県大町市に開催されている北アルプス国際芸術祭を、たまたま知って初めてやってきたけれど雨に煙る作品も幻想的で素晴らしい。
游文富(ヨウ・ウェンフー)さんは、この創作のために竹編みのシートを600枚も台湾から運んで来られたそうだが、何とその竹編みは自分が先日お伺いしたばかりの竹山鎮で作られたそうだ。
日本国内では、これだけの巨大な竹アートを見る機会はないので一体なんだろうか?と思ってしまう。しかし、游文富さん自身は様々な創作活動の中で、このような竹を使う大型作品は何度も経験されているようだ。
竹編みシートは台湾から持ち込み、地元の皆さんが伐採された竹材が骨組みに使われている。そう言えば、このような大きな作品を拝見すると、10年近く前に見た新潟の夢を思い出す。作者の王文志(ワン・ウェンヂー)さんも台湾の方だった、竹を使った大きな創作が多いお国柄なのだろうか。
竹編みは、しなやかで竹細工に使いやすい台湾真竹(桂竹)が使われている。これだけ多くの本数なのに丁寧に竹ヒゴにされていた。
今回、運よく游文富さんの作品に触れる事ができて、台湾に改めて興味が沸いた。
本年も早いもので、クリスマスケーキやお正月お節料理の予約を見かけるようになった。それもそのはず、11月も今日は6日、あれよあれよという間に師走になるにちがいない(笑)。2024年も沢山の皆様に御愛顧いただき何とかここまでやってこられた、本当にありがとうございます!そこで、いよいよ竹虎の一年を締めくくる恒例お楽しみと言えば、そう、竹虎カレンダーだ!
2024年の感謝の心、そして新たな2025年もよろしくお願い致しますという気持ちを込めて、来月12月末日までに竹虎で商品代金合計3,300円(税込)以上、お買い物していただいたお客様、先着2025名様に竹虎カレンダーを無料プレゼント!
2025年のカレンダーは、熟練の竹職人の手仕事。下のYouTube動画にミカン籠として親しまれてきた虎竹盛り籠(鉄鉢)を編み込む職人の手業を紹介しているが、竹籠の細部に宿る匠の技は見惚れてしまう。
今年の4月、第12回世界竹会議で台湾にお伺いした時に、台中繊維工芸館での国際竹工芸フォーラムでお話しする機会をいただいていたが、その時の主催が盛之華台湾竹芸館の徐暋盛さんだった。
今回は短い日程のでの訪台だったので、徐さんの工房には夕刻からお伺いさせていただいた。10年ぶりだけれど何も変わっていない。
変わっていないと言えば、徐さんはジーンズに黒いTシャツで自分はいつもの作務衣、二人の格好も10年前と同じだから笑ってしまう。
徐さんの工房には、色々な竹製品が並んでいるが折り畳んで立てかけられていた見慣れない竹編みに目がいく。何かと思ったらスカートだ(笑)、竹は繊維にもなるけれど、こうしたファッション的な要素も持った素材だ。
徐さんの奥様の手料理をいただけて幸せだ、台湾は何を食べても美味しいのだが、心のこもったおもてなしの料理は本当に旨い!
国立台湾工芸研究発展中心は、広々とした敷地に様々な竹工芸が展示されていて何度来ても飽きない。竹の好きな方にはオススメの場所なので是非沢山の方にお越しいただいて、台湾の竹文化に触れてもらいたい。日本などでは考えられないような、面白い竹への取り組みを見る事ができる。
いつくかある建物にひとつに、現地の工芸品を一堂に集めた展示場があり、春の世界竹会議でもお会いさせてもらっていた劉興澤さんの個展が開催されていた。生活で使える竹製品から家具や美しい花籠、更にはアート作品まで幅広い竹の表現力に驚かされる。やはり、台湾の竹文化は奥が深いと思った。
ここには、かつてはカフェだった明るいスペースに、徐さんが得意とされる大迫力の巨大オブジェが天井に飾られている。入口から入って右側の別空間になった所なので、見逃さないようにチェックしてください。