ドーーーーーーーン!!!と大迫力で登場したのは御用籠と呼ばれて昔は大活躍していた角籠。ご年配の方なら、この籠が自転車の荷台に紐で縛り付けられて走っていたのを覚えておられませんか?自転車やバイクに多用されていたので、自転車籠とも言われて荷物を運ぶ際には重宝していた竹籠なのだ。
さて、今日はこの角籠にタップリの洗濯物を詰め込んでコインランドリーにやって来た!洗濯物の重量は何と5キロ!それでも、太い縁竹にしっかり取り付けたビニールパイプ入りの持ち手紐はビクともしない。
スズ竹市場籠と同じタイプの持ち手を取り付けている事かわお分かりのように、近年の開花によって少なくなったスズ竹市場籠の代わりの手提げとして使いたいと思って試作したものだ。
しかし、ご覧のようにこの「超」が付くような堅牢な力竹!丈夫なのは良いのだけれど、自分が使うのにも少し重たさを感じてしまう。もちろん、キャンプ用品を運ぶのに車のトランクに入れて使用したり、キッチンでの野菜籠やリビングのマガジンラックのような用途だと持ち運びも少ないので問題はない。
ただ、ちょっとしたお買い物や外に提げて行きたい場合には、もっと小振りで軽量なものが良い。そこで、新しく真竹コンテナ手提げ籠バッグが登場した。
虎竹や白竹のランドリーバスケットは、上げ底になっていて通気性が抜群だから人気がある。旬が良くなってから伐採された良質の真竹で編まれた洗濯籠も、昔ながらの作りは全く同じ伝統を守り続けている。新竹の色合いが、少し落ち着いてきた三個の籠をYouTube特別販売として動画で公開させて頂いている。
少しづつ微妙にサイズが異なっているから、それぞれ1点づつだ。
特にこの背の高い洗濯籠は、直径が約44センチに対して、高さが約78センチもあるから、普通の洗濯物を入れる籠としては底まで手が届かない。動画をご覧になられたお客様のアイデアで別の用途にご愛用いただきたい籠だ。
通常は同じ方向にしか巻かない口巻を、サイズが大きいだけに反対に方向にも巻いて二重になっているのも特徴的な竹籠だ。
美しい青物細工を見る事は段々と少なくなってきたが、大型の竹籠で米揚げともマンゴク(万石)、コエジョウケ(肥ざる)、シカクジョーケと呼ばれていた横編みの籠は、ほとんど編まれる事がなくなった籠のひとつだ。綺麗に編まれた籠は、衣類を入れる洗濯籠としても重宝しており、かつて自分がどうして角型のものが欲しくて熟練の職人に製作してもらっていた事がある。
通常は真竹が多用される籠だが、こちらの洗濯竹籠(角)は孟宗竹と淡竹を使い丁寧に、堅牢に脱衣籠として作り上げられていた。角張った籠の作製には高度な技術が必要で、そもそも数が少なかったのだが虫喰い穴があるため、手元に置いていたものを皆様にご覧いただきたくて特別販売としてご紹介した。
最近、真竹を磨いた衣装籠ばかりが登場して少し面白くない、そんな訳でもないのですが久しぶりに登場したのが虎竹菱四ツ目衣装籠。奥の真竹磨き衣装籠と比べると、若干小振りだったりの違いはあるものの同じ編み方で用途も同じ、並んでいると見た目の色合いの違いが際立って、なかなかの迫力だと改めて思っている。
衣装籠というネーミングにしているが、もちろんお客様によっては色々な使い方をして頂く竹籠。このようなサイズ感のある実用的な生活シーンでは、竹の軽さ、しなやかさ、手触りの良さなど竹の魅力が十二分に発揮される。お好みの方をお選びいただいて、うるおいある毎日にお役立ていただきたいです。
真竹磨き衣装籠の作り方動画は、1週間足らずで4000回を超える再生回数で職人も喜んでいる。虎竹こそ、自分達が100年を超えて守り続けて行く竹だ、こちらの職人の仕事も是非動画でご覧いただきたい。
虎竹ランドリーバスケットとしてご使用いただいてる竹籠は、定番の六ツ目編みで実に様々なサイズがあり、昔から多くの方に愛されてきた。しかし、これだけの大きさになって衣類を入れるとなると、底の力竹が必要となってくる。そこで、力竹をどう入れるか?何種類かパターンがあって、試してみたところ一番しっくりくるのがこの三角型であった。
もういつだったか忘れてしまうほど前だったと思うけれど、飴色に変わった白竹の籠に三角の力竹が入れられていたのを最近思い出した。力竹を考える時に以前見たイメージが、もしかしたら無意識に浮かんでいたのかも知れない。
そう言えば、以前の30年ブログにて、虎竹ランドリーバスケットなどに使われている六ツ目編みが、魔除けの印として知られていたお話しをした事がある。それでなくとも、編み目のひとつひとつを目の玉に見立てて、籠で悪霊を退散させる風習は昔から日本にあった。また台風が近づいて来る、多くの籠に囲まれながら目に見えない力や大自然に対する畏怖の気持ちを忘れないようにしたい。
夏前からずっと気になっていた真竹磨き衣装籠に、ようやく取り掛かる事ができた。冬に伐採した真竹が多すぎたのか、自社で活用するスピードが遅かったのか、おそらく両方のような気がするけれど倉庫を見てみると、思うよりも真竹は随分と余っている。シーズンに伐った竹だけを使って製品作りをしていくのだから、竹は足りなかったり、余ったりする。
それでも昔のように、湯抜き釜で白竹にしていれば心配ないが、原竹そのままで保管していると傷んで使えなくなる事もあるから、やはり竹の仕事は難しい。
厳選した竹材を使って竹籠づくりが始まった。
おっと、それにしても竹林で伐採したばかりの竹と、職人が手にしている竹や編み上がった衣装籠の色合いが全く違うと気づかれた方は鋭い(笑)。
どうして、このような見た目の違いになるのかは、真竹磨き衣装籠の職人動画をご覧いただくと、なるほどと納得する。そして、意外と見えない所にも職人の技と手間とが掛かっている事がお分かり頂けると思う。
先日、お客様とお話ししていて驚いた事がある。ご年配のその方は店舗の籠を手に取りながら「どの部分を職人さんが作るのですか?」と質問されるのだ。「えっ?」どの部分というか、一本の竹を割ってヒゴにして、編み上げて仕上げるまで全て手仕事だと説明するとポカンとされている。
あまり竹細工などを使った事もなく、関心がある方ではなかったそうなのだが、竹籠とは機械で作るものだと思っていたそうなのだ。これは笑い話ではない、自分達にとっては当たり前だからお伝えせずにいると、もしかしたらこの方のようにご存知なかったり、関心を持つ事ができない方は多いのかも知れない。
日本唯一の虎竹の事、そしてその竹を使って編み上げられる六ツ目ランドリーバスケットの事、もっと知っていただく努力が必要だと痛感した。
しかし、まあ確かに、このように丹精な籠をご覧になられると、機械でも使っているのかなあと考える方がいても不思議ではないか。この季節に軽やかな籠は涼味を感じて大好きです。