秀逸な山里の竹箒

竹箒


凄い竹箒である。職人たちの口コミで広がる山里の逸品。握った感触がイイと思ったら、柄は乾燥するほどに硬く丈夫になるゴサンチクだ。何と言っても孟宗の枝が秀逸、優しいのにヘタらない掃き心地は、恐らく一枝づつ厳選しているからに違いない。


竹箒


孟宗竹は、来月あたりから旬が良くなるので枝は確保できそうだけれど、ゴサンチクの方は少し遅れて伐採できるのは、やはり秋口になろうか。兎に角、新しい箒が出来あがるのが待ち遠しい!


竹箒


この竹枝のしつらえが素晴らしい。いずれ詳しく皆様にご覧いただきたいと思っている。


京都の庭箒


これほど箒に感動したのは、孟宗竹の新竹の小枝だけを使って京都の庭師さんが手作りされていた手箒以来だ。あれは、驚くほどのこだわりだったが、この山里の竹箒も田舎といえど負けてはいない。


ゴサンチク、布袋竹


ちなみに、ゴサンチクは布袋竹とも言われて、竹節の詰んだ部分が釣り竿の持ち手や、お遍路さんの杖にも多用されている竹。雨の多い高知では河川の護岸用としても植えられてきたので川岸で良く見かける。大きく立派な竹でもないから、何気に通り過ぎてしまう事が多いかも知れないけれど、人の命と財産を守ってきた竹でもある。


阿波踊り竹人形


また、もうすぐ徳島ではじまる阿波踊りの竹人形に素材として使われている。竹の節を巧みに活かしてイキイキと作られる人形を見ていると、にぎやかな音まで聞こえてきそう、まさに竹が楽しそうに踊っている、笑っている。いつも思うが、創作された方は天才だ。



龍の口(たつのくち)

龍の口


龍の口(たつのくち)という変わった名前のついた竹の道具があると教えてもらった。明石市にある江井ヶ嶋酒造株式会社さんの資料館には、古くから酒蔵で使われてきた品々が展示されているが龍の口はそんな中のひとつだった。


龍の口


竹筒には木栓が入るように加工されている。


竹栓


一体どのように使うのだろうか?考えながら見ていたら、係の方が丁寧に説明していただけた。大きな酒樽に差し込んで蛇口のような役割をしていたのだが、内側の木栓を回す事によってお酒の量を調整することができる。本当に上手く考えられている。


龍の口


龍の口


それにしても、どうして龍の口というネーミングだろう?ここの道具には、蛙、さる、鳩、三味線、てんころ等それぞれユニークな名前が付いている。杜氏さんたちの遊び心で名付けられたと言うから面白い。



誰にも知られず、ひっそりと竹材内装の京急電車

京急電車の竹内装材


高知から都内に行こうと思えば飛行機しかなくて、必然的に羽田空港から電車に乗り換える事になる。羽田からはモノレールもあるけれど、ボクの場合は京急線を使う事が多い。そう言えば久しぶりにモノレールに乗って羽田に向かおうとしたら降りる駅を間違えた、京急は羽田空港第1・第2ターミナル駅なのでANAもJALどちらとも考えずに降りられるのだが、モノレールは第1ターミナルと第2ターミナルで駅が分かれているので一瞬どっちだったか分からなくなったのだ。結局、降りて、乗って、また降りて乗って元々降りた駅に戻って来たという事がある(笑)。まあ、それはどうでも良いのだが、とにかく京急電車はさすがに素晴らしい、何が凄いかと言うと何と車内の内装材に竹が使われているのだ。


電車の竹内装


皆さんもご存知のように、今電車に乗れば多くの方がスマホを見ている、見慣れた車内を見る人などはいない。ましてや電車内の内装に気をとられる方は、よほどの鉄道マニア以外には皆無だろう。しかし、そんな鉄道通であったとしても、この壁面を見てだと気づく事は、ほとんど無いのではないだろうか。


京急電車の竹内装材


ボクのように田舎からたまに上京して吊り広告を見まわしたり、時には乗り間違えてないか路線図を確認したりしているので電車の壁面にも目がゆく。そして、アッ!と思わず声が上がる(笑)、おっと!竹の集成材が使われている、竹は節目が模様として現われて特有のデザインになるのですぐに分かる。


京急電車の竹内装材


しかし、せっかく竹を使っているのに誰にも知られていないのではないかと思って近づいてみると「sustina」と書かれていた。サスティナブルに関連しているのだろうか?だから成長が早く環境にもやさしい竹材を使ってるのか?調べると「sustina」とはステンレス鋼材を示す「SUS」、それからサスティナブル(sustainable)それに、地球を救う女神を示す語尾「ina」がついた造語のようだ。京急電車というより車両メーカーのブランドみたいだから、しもかしたら他社電鉄でも竹壁の電車が走っているのだろうか?地球を救う竹電車に他の路線でも出会ってみたい。


ミュージシャン西口龍さんの虎竹ウクレレ!

西口龍さん、竹虎四代目


ウクレレと言いますと皆様はどんなイメージを持たれているでしょうか?自分ならまず牧伸二(古い!)が舞台に出てきてポロロン♪ポロロンとつまびく姿が思い浮かびます。ギターに比べて見た目にも小さいですし、エレキギターのように大音響が出る事もなく、どちらかと言うと地味なイメージです。


西口龍さん


そうそう、あと芸能人ではドリフターズの高木ブーもウクレレを弾いてました。ハワイアンシャツを着て、ゆったり、のんびり、南の島で気ままに演奏する、そんな感じを自分は持って見ていました。


西口龍さん、竹虎四代目、虎竹ウクレレ


ところが、高知在住で世界に飛び出して活躍されるミュージシャンの西口龍さんの演奏を聴いてビックリぜよ!なんと情熱あふれる熱い演奏ですろうか。




まっことしびれました!格好イイのです。


虎竹ウクレレ


演奏も素晴らしいけんど、実は何とこのウクレレには日本唯一の虎竹が装飾に使われています!この高知をベースに活動されている方なので、地元にしかない特産の竹はピッタリなのです。


虎竹ウクレレ


ウクレレの先端にも美しく使っていただいていますが、このデザインもなかなかのセンスの良さぜよ。大事なウクレレに虎竹を使っていただいて本当に感謝ですが、今までの既成概念が吹っ飛びましたので西口さんのコンサートには一回行ってみたいと思うちょります。


旧伊藤伝右衛門邸、柳原白蓮の間にて

旧伊藤伝右衛門邸、柳原白蓮の間、竹障子


伊藤伝右衛門という人物を実は知りませんでしたが、福岡県飯塚市では炭坑王として今でも非常に有名で旧宅は市の有形文化財となって一般に公開されているほどの歴史的な価値のある、贅を尽くした豪邸です。


2014年に放映されたNHK連続テレビ小説「花子とアン」に登場する炭坑王は、この伊藤伝右衛門をモデルにしていたとの事で、近年この方が見直されて休日ともなると大型バスにのった見学の方が沢山来場される観光地になっちょります。


さて、この大邸宅は平屋なのですが一カ所のみ柳原白蓮さんという伝右衛門の奥様になられた方専用のお部屋だけが二階に設えられています。白蓮さんは歌人であった方ですが大正天皇の従妹にあたる高貴な身分であり、輿入れの際に特別にこの居間が作られたそうです。


旧伊藤伝右衛門邸、柳原白蓮の間、竹障子


当時の伊藤家の繁栄をうかがい知ることができるような数寄屋作りの凝った室内には、当時は白蓮さん以外の人は誰一人として入室できなかったそうです。


丁寧に手入れされた広々とした庭を一望できる縁側、開放的にとったガラス窓からは明るい陽射しが差し込むようになっていますが障子ごしに朧気に写る竹節の影に目がとまりましたぞね。その日の天候により、時刻により様々な美しい見え方がしていた事ですろう。


竹筬(たけおさ)の復活

竹筬(たけおさ)


古来、竹は日本人の生活、文化に深くとけ込んで衣・食・住の全てに竹があると言うのが当たり前やったのです。近年、どんどん新しい素材への移行があり竹が使われなくなっているのはご存じの通りですが、多くの方に使ってもらい認知されていた物で消えて行く竹細工がある一方で、一般の方の目には触れることなく、その存在すら知られる事なく忘れ去られていく「竹」もありますぞね。手元の資料に紛れ込んでいた長さ8センチ、幅5ミリほどの竹製のヒゴなども、そんな製品の一つですろう。


竹筬


この短い竹ヒゴは竹筬(たけおさ)と言う道具に使われる一部ぜよ。そもそも竹筬を「たけおさ」と読む事すらままなりませんが、一体に何に使う物かと言う織物の織機の一部として使われるパーツなのです。竹ヒゴがズラリと並んでいますが、この竹の間を糸が一本一本通り織物になっていきます。なので経糸の密度を一定にする、織物の幅を決める等織物には無くてはならない道具との事でした。


竹筬製造


明治初期の頃、織物の産地として知られちょったのは関東の足利、福井、久留米、愛媛などと聞きます。そのような織物の産地には、当然この大切な道具である竹筬を製造される職人さんもいたようですし、また現在この竹筬を復活させようとされている岐阜県祖父江地区でも大量に製造されていたものが衰退した原因は金筬と言われる金属製の製品ができてからのようです。


しかし、竹筬を使った事もありませんが織物の糸がその細い間を通り抜けて一枚の織物になるのであれば、金属製の物と竹製の物と比べるならば明らかに織りあがりに違いがあるだろうと容易に想像ができるがです。竹筬の良さは、自然素材での扱いやすさ、筬羽に竹の弾力があり歪みに強い、経糸の摩擦に優しさだと言います。


竹筬素材


短い竹ヒゴ状のものの事を筬羽と呼ばれちょりましたが、この筬羽作りには、原料の竹材を簾にして乾燥される竹編み、竹割、荒引き、幅を揃える幅取り、二番引き、皮取り、上引き、羽揃え、羽切り、傍(わき)仕上げ、焼き入れ、縁仕上げ、面取り、筬編み、仕上げと様々な行程があります。一枚の筬羽を触ってみても、手触りもなめらかで本当に丁寧に作られている事が伝わるがです。この竹がズラリと並んで、その間を絹糸が通ると思えば、竹筬ならではの織物もあるのではないかと思うたりましすぜよ。


竹筬作業場


それにしても一度は無くなってしまった伝統の技術を研究会を立ち上げて復活させた皆様の努力には頭が下がります。関係者の方や文献資料が残されたいた事もあるようですが、技を継承していく事は並大抵の事ではなかったはずですぞね。定期的に技術研修などされているようですが、若い方が参加されていたり多くの方が真剣に取り組まれる姿に感動した事を思い出しましたぞね。


かんじき、竹ストック、竹スキー

かんじき


いやいや、まっこと暑いですにゃあ、連日35度を越える猛暑ぜよ。外で油断して仕事していたら熱射病で倒れてしまいそうな毎日ですきに、せめて30年ブログでは、ちっくと涼しいお話しをしたいと思うちゅうがです。


「かんじき」とは深い雪の上を歩く時に使われてきた道具です。南国育ちの自分などは、あまり見る機会もなかったですし、使ったこともないがですが、これを履いていたら足を雪にとられることなく、比較的スムーズに歩けるとう事ながぞね。


かんじき


最近ではプラスチックなど新しい素材を使った、かんじきもあるようですが、昔ながらの身近な山の素材で作られたものは素朴で何ともエイ味わいぜよ。なんと言うても自分が感動するのが、厳しい自然の中で使われる、このかんじきに竹が使われちゅうという事ながです。足に付けるもので、かなりの力も掛かるかと思うのですが、そんなジョイント部分に竹というのは、竹の強さを証明してくれているようで、まっこと嬉しくなってくるがです。


竹ストック


ところが、雪山で竹が使われているのは足元だけではないのです。こちらにある竹は先端に何か黒っぽいものが見えていますが、一体何かと言うと、スキーの時に使うストックながぜよ。今では、さすがに日本中探してみても竹ストックを使うてスキーしている方は居りませんろう。けんど、その昔には身近に手に入れられる素材の中で、細く、軽く、丈夫な素材と言えば、それは竹しかなかったがです。


ストック先端も竹


竹ストックの先端部分、つまり雪に刺す側を見てみますと、これも、本当に凄いです!綺麗な円形にした細い竹が使われちょります。使われているのは、どうも根曲竹のようですが、こうやって厳しい自然の中で使う道具に竹が選ばれているのは、竹が一番適しているからであり、素材としての信用があったからですろう。まっこと、この当時の竹は輝いちゅう。スター選手のように輝いちゅうがです。


竹スキー


竹ストックといえば竹スキーはどうやろうか?昔は沢山製造されていたという事も聞きますが、竹表皮のツルツルした滑りやすい性質を活かしたら高性能の板ができたのではないかと思うのですが、本格的なスキー板ではなくとも、このとおり、今でも雪国の子供たちはこうして手軽に竹スキーを作って楽しんでいるのです。


竹製知恵の輪

竹製知恵の輪


知恵の輪と聞くと子供の頃から遊んだものは、ほとんどが金属製のものではないかと思うがです。最近の子供達はテレビやスマホのゲームばかりで、おもちゃ屋で売っているような金属製の知恵の輪さえももしかしたらあまり遊んだ経験がないのかも知れませんちや。そしたら竹製のものがあるなど全く関心すらないかも知れません。そもそも昔は、今のような遊び道具が無かったので身近にあった竹からは、その加工のしやすさや稈が空洞である事や、弾力性や滑りの良さ軽さなど竹の特性を活かした玩具も多かったのです。


そんな中に知恵の輪というものも当然のように考えられ、多くの人に伝わって楽しんだ時代があったかと思います。今は名残りの品を懐かしく見て、当時を想像する他ない事もありますが、先日、たまたま拝見する事になったのは今まで出会うた知恵の輪とは随分と趣の異なったものやったがぜよ。これほど大きくて竹の特性を上手く使うちゅうものも、あまり無いかと思いますぞね。竹の一番丈夫な表皮部分を残して薄く剥いだ作りは、柔軟でいながらしなやかで強い。知恵の輪ならぬ、竹の輪の中にも伸びていってスムーズに入るあたり竹より他の素材ではできなかったろうと思うのです。


このような全く知らない竹に出会うたび、長い長い、竹と日本人との関わりを思わずにいられません。じっくり見ても、あれこれ触ってみても、どうなっているのか...?頭を抱えてしまいそうな造作ですが、ある時、突然このような形で現れたものではないですろう。誰かが思いついて創作したものを、今度は別の誰かが見て改良して、そして又誰かが改良して、そんな繰り返しをして現在のような完成された、ひとつの作品と言うても良いような素晴らしい知恵の輪が出来上がっちゅうのではないろうか?


実はこの知恵の輪は単純に遊び道具というものではなく、囲炉裏に吊して使う自在鉤(じざいかぎ)だったのです。そんなに身近で毎日使われるモノだからこそ、ただ単に使いやすいようにと言うだけでなく、昔は自分のものは自分で作る事も多かったので、大切なひとつの要素が「作りやすさ」でもあったかと思います。色々な面が磨かれ、鍛われて、研ぎすまされて、この竹製の自在鉤を持っていた竹職人さんですら、


「ええと...どう使うのだったか?」


そう言うて頭をかくほどの竹製知恵の輪が出来上がっちゅうのです。


旅館のような部屋の秘密

のし竹皿


小学校の低学年の時に新しい自宅が建ったがです。一階の家の北側に一番端っこに自分の部屋が出来て、こじゃんと嬉しかった事を昨日の事のように覚えちょりますぜよ。鉄筋コンクリート二階建て、度々襲ってきた台風にもびくともしない丈夫な作り、屋上からは西に虎竹の古里、焼坂の山がそびえ、東には貨物船の行くのが見える須崎湾が眺められる景色の良さに、子供心にも胸が躍る気分やったがです。


この家には二階にもキッチンとトイレを設えちょりました。祖父母が暮らすという事もあったろうけんど、それにしても二階の一番手前の和室の作りが凝った床の間や違い棚もあって、自宅と言うよりも、まるで旅館か何かの部屋のようにも思えて、何か不思議な感じがずっとしよりましたぜよ。


その秘密が解けたのは、ずっと後になってから、そう言えば...ああやったにゃあと納得した事ながですが、虎竹の里は昔からお遍路さんの難所と言われるくらい山に囲まれた交通の不便なところやったがです。今では24時間営業のコンビニも何とかありますけんど、その頃、周りには何もなく買い物に行くスーパーも車で山越えで行きよりました。もともと竹虎は120年前に大阪で創業した会社ですし、取引先様は昔から県外の問屋さんばかり。そしてそんな問屋さんが頻繁に来社されよりましたので、おもてなしをせねばなりませんが周りに何もない竹虎では、自宅にお招きして食事や宿泊をしていただくのが常やったがです。


実は、こんな商習慣は竹虎に限った事ではなく、交通不便で宿泊施設も今のようになかった昔の日本では、来客を自宅でもてなすのは当たり前の事やったようです。それは言葉で知った訳ではなく古いお付き合いの会社や職人さん宅に行くと、奥様が前日から仕込んだ地元料理を出してくださったり、料理屋さんからとった料理をふるまってくれる事から、自分の祖母や母のしていた幼い日を紐解くように思い出したがです。


大阪や京都からの社長さんを田舎料理でもてなして来ましたので、今頃になって気づくけんど祖母の料理は、まっこと旨かった。大阪に数軒あった料理屋の娘と言う事もあったろうけんど、どうして、こんな田舎やに作るご飯が洒落ちゅうし、気品やさえ感じるろうか?こんな謎が解けたのも後になってからの事やちや。


母の水屋には、まっこと珍しい竹細工の皿や食器類がありますぞね。これも、その当時のお客様にお出しするための名残、どう考えても家庭用らしからぬ、よそ行きの顔をした竹細工があるにゃあ。昔の竹製品は今とは趣が違うて手の込んだものが多くて楽しいがです。沢山の家の台所で竹が花形やった頃の往年のスター選手たちとでも言うろうか、これは近いうちに、ゆっくりと全部取り出して、ひとつひとつ見せてもらいたいと思いゆうがですぞね。


名脇役の竹

竹目隠し


心休まる緑の日本庭園というのは、まっことエイもんですちや。別に築山があったり、大きな池があったりせずとも、緑の多い空間には安らぎの気が満ちているのか、妙に落ち着いて、ここが大都会の繁華街からも、ほど近く、ほんの少し歩いた所だと言う事を忘れさせてくれるがです。普段はあまり気にしちょりませんが、そんな緑深い庭園は都市部にも実は結構あって、不思議な事に歩いていると聞こえてくる小鳥達の声は、虎竹の里の山道で聞くそれと良く似ちゅうぞね。コンクリートジャングルに囲まれちょったとしても、こんなオアシスのような緑地帯があれば自然はイキイキと輝くがやにゃあ。


そんな事を思いながら大きく曲がる歩道を行くと、ふと気がつくのが園内の所々にある竹のあしらいぜよ。立ち入り禁止の所に結界のように使われちゅう自然の丸竹や、袖垣や縁台、建屋の腰張りなど昔からあるものも趣がありますけんど、場所により、ちり箱であったり室外機や水回りの目隠しなど、現代風な竹を使い工夫されちゅうものがなかなか面白いと思うがぞね。


ここのお庭では水やり用の蛇口とホースと収納箱やろうか。目隠しに竹で箱を作っていたのですが、その竹が古くなりエイ具合に目立たず、主役のである庭園を引き立てる脇役らいし味を出しちょります。これは自然の竹にしか出来ない芸当ですろう。塩化ビニールでも遠目には竹そっくりの商品があり、比べものにならないくらい耐久性も高く、変色もせず長持ちするので、最近は飲食店、ホテルや旅館さんでも良く使われるのを目にします。けんど、どうぜよ?塩ビではこのような名脇役ぶりは逆立ちしても出来ないのです。