今年で創業131年目となる竹虎は、社歴が長いだけあって、時おり素敵な贈り物のような「竹」が見つかる事があります。今回、社倉庫の奥から現れたのは、40数年に渡ってしまわれていた一個の竹アタッシュケース。製作されたのは、祖父の代から懇意にしている竹工芸作家・宮川弘尚先生によるもの。なので、てっきり竹虎二代目だった祖父の依頼と思い込んでいたのですが、実は三代目の父が特別にお願いして誂えた品でした。自分たちが100年にわたって守り続けている、虎竹で刻み込まれたロゴマーク見ていたら泣けてきました。
素材には、まっすぐに伸びた真竹を使用しています。と、言っても一体どこが竹なのか?と思われそうですが、細く取った竹ヒゴを丁寧に布に貼り付けて、その布を今度は正確に四角く切り取り、さらに市松模様のように縦横に並べて仕上げられているのです。おそらく当初は真っ白だった竹ヒゴは、長い時を経て、見違えるような艶やかで深みのある飴色へと経年変化していました。その美しさには思わず息をのみ、しばらく見惚れてしまうほどでした。
あまりに素晴らしい出来栄えに、さっそく何度か出張にも持って行ってみました。道行く方から「それは何でできている鞄ですか?」と尋ねられることもしばしば。考えたらそうですよね、初めてこのアタッシュケースを見て、まさか竹だとは思う方は多くありません。七変化する竹の魅力を改めて感じられる、そんな時間ともなりました。
そして、さらにこの竹アタッシュケースを進化させたいと思い、現在リニューアルを計画中です(笑)。プラスチック製の持ち手部分を、日本唯一の虎斑竹(とらふだけ)に変えて、より竹虎らしい特別な一点に仕上げようと考えています。虎竹独特の自然模様と、使い込むごとに変わっていく風合いが、また次への新しい物語を刻んでくれることを期待しています。リニューアルが完成しましたら、改めて皆様にもご覧いただければと思っております。どうぞお楽しみに!
コメントする