無塗装で作った炭化竹しゃもじ

無塗装竹しゃもじ


竹箸をはじめとして、竹製スプーンやターナーなど無塗装の竹製カトラリーへお問い合わせを頂く事がある。​たびたび頂くので、そんなお声にも応えしたいと思って新たに無塗装の竹しゃもじをご用意してみた。自然素材のもつ素朴で優しい手触りが特徴の、使うたびに自然の温もりを感じられるような竹しゃもじだ。


無塗装竹しゃもじ


この竹しゃもじの製作には、直径が大きくて肉厚な孟宗竹を選んで使っている。日本最大級の竹である孟宗竹だが、全ての竹が太く肉厚という訳ではない。


孟宗竹切り口


元は太くてもウラ(竹の先端)になるに従い細くなるから、竹の切り口をご覧いただくとお分かりのように、太さや身の厚みは、まちまちなのだ。​そのために、まず適材を厳選することが重要となる。​「竹材なんか、山に行けばいくらでもあるだろうに」いやいや、一昔前ならそうだったかも知れないが、竹を伐る職人が減った現在では随分と事情が変わってきた。


炭化竹素材


さらに、この竹しゃもじは炭化加工が施している。炭化加工とは、高温と圧力をかけて竹の内部まで蒸し焼き状にすることで、薬剤を使用せずに防虫・防カビ効果を高める方法だ。​青々とした竹本来の色合いではなく、囲炉裏で100年以上も燻された煤竹のような、渋い茶色になっているのは、そのためだ。


無塗装竹しゃもじ


持ち手部分には、竹らしく竹節が入るように製造しているけれど、材料を無駄なく活用して出来るだけ手頃な価格で提供するため、節の位置は一定にしていない。また、無塗装であるため、竹本来の甘く優しい香りが感じられる一方で、ご飯がくっつきやすいという特性もある。​使用前には、しゃもじを水に濡らすことで、ご飯の付着を軽減できる。


無塗装竹しゃもじ


お使いになられた後は速やかに洗い、水気を拭き取って風通しの良い場所で完全に乾燥させることが大切だ。​長時間の浸け置きや、洗剤の使用、食器洗い機は避けて頂きたい、直射日光を避けて保管することで、カビの発生を防ぐことができる。


無塗装竹しゃもじ


無塗装の竹しゃもじをお使いいただく事によって、日々の食卓での時間がより豊かで楽しいものに​なればと思う。そして、適切なお手入れを心がけることで、長く愛用することができるのだ。



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