竹細工、竹かご、竹ざるの修理、スズ竹市場籠の修理完了しました

竹手提げ籠修理


スズ竹市場籠は、度々取り上げている竹細工であり、長年にわたり多くのお客様に愛用され来たので、ご存じの方も多いと思う。市場が移転する前の築地には、上京する機会があると良く出かけていたが、そこでは買い出しに来られた方が手にする手提げ籠と言えば、このスズ竹市場籠だった。


自然素材の風合いや、職人の手による確かな作りが魅力であるのはもちろんだが、スズ竹の持つ、しなやかさと強さは格別で、どんな重たい荷物でも気にせず出し入れできる実用性が素晴らしい。さらに、使い込むほどに味わいが増すものだからファンになるのも仕方ない。けれど、好きな手提げ籠だけに、長年の使用によって強靭な竹材が摩耗し、破損ができることはどうしても避けられない。


竹買い物籠修理


そこで、他の竹細工同様に、竹虎にはスズ竹市場籠の修理依頼が舞い込んでくる。竹製品は適切に手直しを施せば、さらに長く使い続けることができる。今回の市場籠の場合だと、口部分の籐巻きの巻き直し、一番傷みやすい持ち手の交換、底の四隅の補強など職人が一つひとつ丁寧に修理することで、かごは再び本来の姿を取り戻す。そして、親子二代にわたり受け継がれるほどの輝きを再び放ち始めるのだ。


竹籠修理


どんな物でも、粗末にせず大切に使い続けることは、日本の古き良き伝統文化の一つではないだろうか。一時期の大量生産・大量消費が当たり前となっていた風潮が見直され、物を手入れしながら長く使う事が見直されてきたように感じている。持続可能な社会の実現が求められる昨今、修理しながら使い続けることの価値はますます高まっていると思うのだ。


竹は驚異的な成長力が知られ、再生可能な資源であり、環境負荷が極めて少ない。このような竹材こそ、今後もっと活用されるべき素材であり、修理を施すことでその寿命をさらに延ばすことができるならば、資源の有効活用という観点からも意義深い。


スズ竹市場籠修理


竹虎では、これからもスズ竹市場籠のみならず、竹細工の修理を通じて、お客様が一つの竹を長くご愛用できるようお手伝いしていきたいと考えている。復活した竹籠は、新品とは異なる独特の風合いを帯び、持ち主の方にとってさらに愛着の湧く、お出かけ時のパートナーのような存在になるから嬉しい(笑)。物を大切にする日本の心を次の世代へとつなげるためにも、これからも竹職人の手仕事を大切にしながら、出来る限り修理をお引き受けしていきたいと思う。





竹炭を飾って、持続可能な虎竹の里の応援団になりませんか?

飾り竹炭


飾り竹炭」という言葉を使いはじめたのは、もうかれこれ20数年前の事だと思う。消臭力をはじめとした機能性だけでなく、インテリア性のある最高級竹炭をディスプレイに使うご提案をさせてもらったものだった。そもそも、竹炭を丸い形のまま焼き上げる窯は、ほとんどなく、特に竹虎のような美しい銀色の輝きと独特の風合いで、高い評価を受けている竹炭は皆無と言っていい。


最高級飾り竹炭


さて、その飾り竹炭の原材料について少しお話ししてみたい。虎斑竹は、高知県の虎竹の里でのみ育つ希少な竹で、その独特の虎模様が特徴だと、いつも皆様にご説明させて頂いている。しかし、すべての竹が鮮やかな模様を持つわけではなく、色づきの薄い「白」と呼ばれる竹も存在する。この竹は、かつて土壁の内側にいれる小舞竹や箒の柄などに利用されていたが、近年の需要減少や輸入品の増加により、その活用方法が少なくなっていた。


そこで、「白」を有効活用し、飾り竹炭として生まれ変わらせる取り組みを行っているのだ。昔ながらの土窯の高温で二週間と言う長い時間をかけて、じっくりと焼き上げられた竹炭は、表面が滑らかで銀色の光沢を放っている。多くの方があまり見た事のない独特の在感だと思う。


インテリア竹炭


飾り竹炭への活用は、虎竹の竹林を守るためにも重要である。色づきの良くない竹を間引くことで、竹林全体の健康を維持し、美しい虎斑竹の育成を促進するからだ。しかし、間引いた「白」を活用しなければ、竹資源の無駄使いとなり、竹林管理を長く続けていく事は極めて難しくなる。皆様にご愛用頂くインテリアの飾り竹炭の製造は、ボクがバンブーロスと呼ぶ、竹資源の無駄を無くし、竹林の健全な循環を支える重要な役割を果たしているのだ。


飾り竹炭


自分達は、虎斑竹の製造をこれからの100年も続け、日本の伝統文化を守り続けるという「虎斑竹100年計画」を掲げている。この計画の一環として、竹資源の有効活用や竹林の保全に努めており、飾り竹炭の製造もその取り組みの中で考えられた一部だ。


最高級丸竹炭


飾り竹炭の使い方は多彩で、和風・洋風を問わず、さまざまな空間に調和する。竹虎でセット販売している太い孟宗竹のハツリ竹筒に入れて飾るだけで、お部屋の雰囲気が一段と引き立つ。また、花籠や生け花と組み合わせることで、植物の美しさを際立たせるとともに、竹炭の持つ水質改善効果で花を長持ちさせることが期待できるのだから一石二鳥ではないだろうか。さらに、割れた竹炭は細かく砕いて鉢植えや家庭菜園の土壌改良材としても活用いただける。


このように、飾り竹炭は美しいインテリアとしてだけでなく、環境改善や植物の育成など、多方面での効果を持つ優れたアイテムである。自然素材の魅力を日常生活に取り入れるとともに、虎竹の竹林を守り、持続可能な竹の世界を目指す竹虎の応援団に入団いただきたいと切に願っている(笑)。



無塗装の竹カトラリーへの注意

無塗装竹スプーン、ウレタン塗装竹スプーン


竹のカトラリーは、環境に優しく、口当たりがよくて、軽く使いやすいことから人気が高い商品のひとつだ。最近では、表面に塗装を施さず、自然な風合いを生かした無塗装仕上げをご要望されるお客様も増えている。しかし、無塗装の竹製品には特有の課題がある。


孟宗竹


竹は本来、水分を含みやすく、環境によってはカビが発生しやすい素材である。そのため、竹材の選定から保管、加工に至るまで、職人は細心の注意を払いながら一本一本を大事に製造していく。


炭化の割竹材


身近ではあるが、管理が難しい素材だけに、竹を高温と圧力で蒸し焼き状態にする「炭化加工」を施した竹材を使用している。この加工によって竹の水分量を減らし、安定性を高めることができるのだ。


竹カトラリー竹素材


炭化を強めれば良いと言う訳でもなく、色合いや強度などそれぞれの竹製品に適した温度等がある。ただ、そうして製造していても無塗装の竹製品の場合には、使用環境や季節などにもよりカビの発生を完全になくす事は難しいと思う。


竹カトラリーの素材、炭化孟宗竹


特に湿気の多い場所での保管は避けるべきで、使用後はすぐに水気を拭き取り、十二分にしっかりと乾燥させることが重要だ。


竹カトラリー製造


また、長期間使用しない場合は、風通しの良い日陰で保管することが望ましい。これらの管理を怠ると、カビが発生しやすくなり、製品の劣化を早めてしまう。


無塗装竹レンゲ


竹のカトラリーは、適切に手入れをすれば長く愛用できる。しかし、その魅力を最大限に生かすためには、ユーザー側の意識も欠かせない。


カビ


湿度の高い季節などは、一晩でカビてしまう事もある竹カトラリーだ。無塗装の竹製品は、自然素材ならではの風合いを楽しめる反面、扱いに注意が必要である。その点を理解し、適切な管理を行うことが、竹のカトラリーを長く愛用するための鍵となる。


竹カトラリー仕上げ漆


こちらは、ウレタン塗装と漆塗装の竹フォーク、竹ナイフ、竹スプーンだ。耐久性や風合いを大切にすれば、若干高額になるものの、個人的には漆塗布が一番のオススメだ。





竹製鬼おろしで味わってください、冬の大根おろし

竹製鬼おろし


虎竹の里では、野菜や果物を近所からいただく事も多い。先日も丸々と大きく太った大根を頂戴した(笑)、冬の寒さが深まるこの時期、大根がますます美味しくなる。煮ても焼いても美味しいので大好きだ。しかし、何と言ってもやはり欠かせないのが「大根おろし」だと思う。シャキシャキとした食感とほどよい辛みが、焼き魚や鍋料理を一層引き立てる。しかし、一般的なおろし金ではどうしても細かくなりすぎ、水分が出てしまうことがある。そこで大活躍しているのが竹製の「鬼おろし」だ。


竹製鬼おろしの最大の特徴は、粗めにおろせる点である。竹は縦に繊維が沢山通っていて非常に硬質だが、その竹歯が鋭く立っており、大根を力強くすりおろしても適度な食感を残すことができる。一般的な金属製のおろし金とは異なり、大根の繊維をつぶしすぎず、ふんわりとした仕上がりになるのが魅力だ。さらに、竹は水切れがよく、使い終わった後の手入れもしやすい。


竹製鬼おろしの大根おろし


寒い冬には、おでんや鍋料理にたっぷりの鬼おろし大根を添えて、さっぱりと楽しむのもおすすめ。鬼おろしで作る大根おろしは、余分な水分が出にくいため、味が濃く、料理との相性も抜群なのだ。また、消化を助ける酵素も豊富に含まれており、食後の胃にも優しい。


竹製鬼おろし


他の竹製鬼おろしとの違いは、この平たい持ち手、しっかりと握れるように作られている。すりおろす際の安定感があり、力を入れやすいので、女性の方でも使いやすい。昔ながらの竹の道具は、手作業の温かみと実用性を兼ね備えている。ぜひ、竹製鬼おろしを使って、この冬の食卓をより豊かに美味しくしてください。





江戸蒔絵赤塚派10代・三田村有純先生「日本人の生活と漆」

三田村有純先生「日本人の生活と漆」


埼玉県の比企郡小川町は、古くから和紙の里として栄えた場所である。和紙と竹細工は深い関係があり、竹職人も多くいたため、虎竹の里から遠く離れてはいるが、ボクも何度か訪れたことのある町である。そんな小川町には、「土地の持つ力」があると、江戸蒔絵赤塚派10代の三田村有純先生は語る。


三田村有純先生「日本人の生活と漆」


蒔絵といえば漆だが、皆様は漆と聞いて何を思い浮かべるだろうか?多くの方が漆器類や塗りのお箸を想像するかもしれない。竹細工にも漆は使うので多少の事は知っているつもりではいた、しかし、三田村先生の文学講座「日本人の生活と漆」を拝聴させていただき、ボクはまったく異なる面白い世界が広がっていることに驚いた。


三田村有純先生「日本人の生活と漆」


漆は単なる塗料ではなく、日本の文化や精神、生活の一部として根付いてきたものである。歴史をさかのぼり、分かりやすく解説いただく三田村先生のお話にのめり込む。そして、その漆を巡る話の中で特に印象的だったのは、ヨーロッパでの漆の木の植樹プロジェクトだった。ヨーロッパには漆の木が自生しておらず、日本のように伝統的な漆工芸を根付かせるには、まず木を植えることから始めなければならない。このプロジェクトは、漆の木を育て、やがて森を作り、人材を育てるという壮大な計画である。


三田村有純先生「日本人の生活と漆」


漆の木は成長に時間がかかり、漆液を採取できるようになるまでには約15年の歳月を要する。木の寿命はさらに長く、持続可能な資源として活用するためには、数十年単位の計画が必要である。こうした長い時間軸のなかで、日本の漆文化が新たな土地でどのように育まれていくのかを想像すると、とてもワクワクする。


三田村有純先生「日本人の生活と漆」


このプロジェクトを進めることで、漆に対する新たな価値観が生まれ、未来の職人たちに受け継がれていくことが期待される。25年後、この漆の森がどのように成長し、どのような実りをもたらすのか、今から楽しみである。日本の伝統文化は、一見すると過去のもののように思われがちだが、こうした挑戦を通じて未来へとつながっていくのである。


漆の世界には、まだまだ知られざる可能性が広がっていると感じた。ならば、竹も同じではないだろうか?三田村先生に多数の著作もあるようだから、ヒントを見つけるべく一冊づつ紐解くつもりだ。



竹皮の黒革雪駄を持った、台湾からのお客様

虎竹竹林にて


インバウンドで賑わっているニュースを観る事はあるが、虎竹の里のような田舎ではあまり関係のない話だ。そんな事を思っている先日、驚くべきことが起こった。台湾から、一人のお客様が突然に竹虎へ来店されたのだ。何かのついでではなく、まさに竹虎の黒革雪駄を求めて、わざわざ飛行機に乗り、日本へいらっしゃったとの事。その目的は、長年愛用していた「黒革雪駄」の修理をお願いするためだった。


お客様は数年来、ネットを通じて手にいれられた黒革雪駄を愛用されており、履き心地の良さと耐久性に惚れ込んでくださっていた。しかし、さすがに長年使い続けると、どうしても劣化は避けられない。そこで「修理してもう一度履けないか」と考え、直接竹虎まで持参されたのだ。


竹皮雪駄


自分たちも可能な限りご要望にお応えしたい気持ちは山々だが、残念ながら黒革雪駄の修理は難しく、新しいものをご案内することになった。すると、お客様は「これほど履き心地の良い履物は他にない」と、なんと新しい雪駄を二足もご購入されたのだ。しかし、自分達が何より驚いたのは、この方の旅程である。普通、海外から日本への旅行となれば、観光やショッピング、食事など様々な予定を組むものだ。ところが、このお客様は本当に「黒革雪駄を買うこと」だけを目的に来日されていた。他の予定は一切なく、ただ竹虎の店舗へ足を運ぶためだけに台湾から日本へ来られている。この熱意には、自分達も少なからず感動した。


台湾のお客様、竹虎四代目、竹皮雪駄


黒革雪駄は、天然素材の持つしなやかさと丈夫さ、そして長時間履いても疲れにくい設計が特徴だ。竹皮の風合いは履くほどに足に馴染み、まるで自分の一部のように感じられる履物へと育っていく。ボクの手に持つ真新しい新品と、台湾かからのお客様のはき込んだ色合いを比べて欲しい(笑)。このような雪駄を、ここまで愛してくださる方がいることに、改めて深い感謝の気持ちを抱いた。海外にも竹虎のものづくりを理解し、共感してくださる方がいる事が自分たちにとって何よりの喜びだ。


竹虎本店にて


今回の台湾からの来客で、改めて「良いものを作り続けることの大切さ」を実感している。日本の伝統のモノづくりに共鳴し、遠く台湾からでも足を運んでくださる方がいる限り、自分達も誇りを持って竹製品を作り続けていく。また、このお客様はボクがいつも着ている作務衣にも興味を持たれ、翻訳機能を通じて話しているうちに決して安価ではないのにご購入頂いた。日本らしさや、日本文化は海外の方にこそ響いているのかも知れない。



射手自らが完成させた流鏑馬笠

流鏑馬笠、騎射笠


復刻した流鏑馬笠は少しづつ愛好家の皆様に届けさせていただいている。そんな中のお一人が、ご自身で好みの形にされたいとの事で、柿渋と漆を塗布する前の、生地の状態で笠をお届けしていた。すると、ご自分流に形をアレンジされ、素晴らしい流鏑馬笠に仕立てられたのだ。


流鏑馬笠、騎射笠


ツバの両端か立ち上がり、笠の前頭部が狭くなった作りは、走っている馬上から弓を射らなければならない流鏑馬の射手が被るにふさわしい形になっていて目を見張った。


騎射笠


光の加減によって、深みのある色合いが浮かび上がる塗り重ねた漆も、耐久性と見栄えとの両方を兼ね備えていて魅力的だ。軽く丈夫でありながら、独特の美しさを持ちながら強い風や激しい動きにも、しっかり頭部に固定される流鏑馬。


流鏑馬笠、陣笠


しかし、その機能性を生み出す竹編みの下地こそが大事、一本一本正確な幅と厚みに揃えられた柾の竹ヒゴを緻密に編み込む竹職人の技がなけば、とうてい出来あがるものではない。




流鏑馬笠には、国産では本当に少なくなった竹網代笠の技術が活かされている。


流鏑馬笠、網代笠


五徳の取り付け方、直接頭に当たる枕、顎紐など本当によく考えて作られている。笠の竹編みばかりを考えていたが、実際の射手の方ならではの実用的な造作は非常に参考になる。


流鏑馬笠、竹笠


竹製品は、使う人によってさまざまな表情を見せる。職人の手による伝統的な製品も素晴らしいが、それを手にした人が更に自分流に手を加えることで完成するものもある。流鏑馬笠が、このようにして実践的な、個性的な笠へと昇華されたことを大変嬉しく思っている。


流鏑馬笠、鬼笠


竹の持つ可能性は無限大に広がっている。伝統と創造の融合によって生まれた今回の流鏑馬笠のように、竹製品をカスタマイズし、自分だけの特別なアイテムを作る楽しさも、ぜひ多くの人に知っていただきたい。





昭和の竹ビーズの財布は修理できますか?



虎竹の里のには、JR四国の線路が通っており、太平洋が一望できる景色が美しい事で知られる安和駅がある。無人駅であり、急行が停まらないため、一日に上りが5本程度しかない長閑な駅だ。先日、久しぶりに汽車に乗る機会があった。たまに乗る汽車は結構ワクワクする(笑)。車に乗ってばかりなので、いつもとは違う車窓の景色も楽しみだし、狭いシートも他のお客様との距離が近くて悪くない。しかし、さすがに次の便まで3時間ほどもあるので、急行の発着する須崎駅まで車で乗せてもらった。


竹虎前掛けリュック


須崎駅の待合室に座っていると、中年の女性が近づいてきて声をかけてくれた。
「竹虎さんですよね?」
今日は前掛けだけでなく、前掛けから作ったリュックサックも持っているので一目で分かるようだ。


竹ビーズバッグ


その方は、長くヨーロッパで暮らされていたのだが、最近になって生まれ故郷の高知に帰ってきたらしい。そして、驚いたことに竹虎のYouTube動画「ウィズコロナ(COVID-19)時代!ソーシャルディスタンスを保つ竹製品!感染症防止・帽子!」などもご覧になられていた。何でも小さい頃に母に連れられて、竹虎に何度か立ち寄った事があられるとの事だった。


竹ベルト


「母が使っていた財布があるのですが、壊れてしまっています。修理ができますか?」


竹ビーズネックレス


どんな竹財布か伺ってみると、ボクがたまにお話する昭和の時代に一世を風靡した竹ビーズの製品だった。竹ビーズには球形や楕円球のような形など、大きさも色も様々なタイプがあり、それらを組み合わせてハンドバック、セカンドバッグ、ショルダーバックといったバッグ類のみならず、ベルトやネックレス、財布などの小物類も多数作られていたのだ。思わず懐かしくなって、是非一度拝見させてくださいと快諾した。笑みを浮かべて目の前におられるこの方が、お母様の使われていた竹ビーズの財布を、幼い日の思い出と共にお使いいただけるようになれば、こんな嬉しい事はない。


高知駅


そして、改めて思った。竹虎には130年余りの歴史があり、ボクたちがインターネットで情報発信するずっと前から実は皆様に知られていた。日本唯一の虎竹という貴重な竹文化を繋いでいく会社として、多くの方に昔から応援いただいていたのだ。先人の偉大さに感謝しながら汽車に乗った。



肩こり、首こりにも、竹炭枕の効果。本当でした.お客様の感想、大げさなんじゃないの?正直そう思っていましたが...

手放せない竹炭枕


竹炭枕を竹虎本店に置くようになってから、かれこれ30年近くになると思う。流行などとはあまり縁がなく、昔ながらの竹細工、竹製品を製造・販売してきたので40年、50年と全く変わることなく店頭に並び続けているモノが多いけれど、竹炭枕もそんなロングセラーの仲間のひとつだ。それでも、少しづつリニューアルしながら進化させてきた竹炭枕には、昔からの定番タイプと、新しく作ったものと二種類あるので、お客様からどちらを選べばいいのか?とお問い合わせを頂戴する事がある。


竹炭まくらの効果


どちらも消臭性、調湿性に優れた国産竹炭を100%で作った枕だ。日本の孟宗竹を使う竹炭なので、皆様にお求め頂くことが国内の竹産業を支え、竹林を守ることに役立っているので、どうかご安心していただきたいです。そして、その事のにはいつも、お客様の皆様には心から感謝している。


前々からある定番の快眠の竹炭枕は、昔ながらの土窯を使い高温で焼き上げた最高級の竹炭を使っている。熟練職人が焼き上げる竹炭は飲料用、炊飯用などにも人気であるものの、価格は少し高めになっている。そこで、国産竹炭100%熟睡ピローは機械窯の高温で焼き上げた竹炭を材料に使う事にした。価格を少しでも抑えて、ご家族がも皆様でご愛用頂けるように工夫した枕なのだ。


基本的な機能性には違いはないけれど、快眠の竹炭枕が約3キロの重さがあり高さも約6センチと低めなのに対し、国産竹炭100%熟睡ピローは約1.3キロの少し軽めの質感の竹炭になり、高さは約8センチだ。


国産竹炭まくら


竹炭枕には消臭や調湿効果だけでなく、肩こり、首こりといった悩みを抱える皆様にもお使いいただいている。下記のような沢山のお声を頂戴するスグレモノを、一人でも多くの方にお届けしたいと思い新しい国産竹炭100%熟睡ピローを開発したのです。


「肩から背中に鉄板が入ったような痛さで寝つきも悪くなっていたのですが竹炭枕を使った日から翌朝は楽になっていき毎日毎日徐々に楽になっていきました。朝起きたときの 肩 背中がぜんぜんちがってきたんです。」


「ほんまに不思議な枕です。私は頚椎の椎間板ヘルニアと首の椎骨動脈損傷の為、首が疲れやすく、肩こり、頭痛、寝違いになるとなかなか治らず、しょっちゅうカイロで治療をうけていました。一ヶ月程前もカイロに行かないと無理かなと、お金も時間もかかるなと、思い切って、この枕をかいました。いちかばちかかけました。一日目は痛くて、後悔。やっぱり枕でよくなるわけないか、と。でも何日か経った時、そう言えばマシと。でも、気の性かも、と。つい先日、高校生になった娘に枕を試させました。そしたらどうでしょう。娘は一回じゃ分からず。なんと私の調子が悪く、その日の娘の入学式は散々でした。
ほんまにこれっていい!! 手放せません。旅行に行くときもいります。重いしどうしようと、旅行の予定もないのに悩んでいるおばさんです。」


「ひどい肩こりで、いろいろな枕を変えてみましたが、疲れが取れない事が多く、あきらめていましたが、この枕を紹介してもらい、使うようになってから、本当にぐっすり眠れるようになりました。はじめは、一か八かで買いましたが、気づくと嘘のように肩こりも和らぎ、今では、手放す事ができません。肩こりで苦労している人は、是非、試してもらいたいと思います。」


「約30年、枕ジプシーだった私です。御社【竹炭枕】を使い、翌日のスッキリした目覚めの良さに嬉しくて嬉しくて涙が出そうです。肩の凝り、首の凝り、頭の重さで目覚めの悪い日々から解放され、本当に一日の始まりが快適だと、こんなにもイキイキするのかと自分でも驚いています。」


「藁をもすがる思いで購入し、つかってみたところ、初日からすぐに眠れました!そして、何より驚いたのが、起きがけの痛みやしんどさが全くなく、スッキリ起きれたのです!(今まではなんだったの...?!)というくらいビックリでした。」


「両親に感想を聞いたところ、父親は使用して第一声が「こりゃ、よかー、寝心地がいいぞ、はよう、つかわなきゃ」と母親に促したそうです。今では「これは、おれにあってよかー」と毎日睡眠の友になっているようです。母親も今まで使用した枕に比べ中身がしっかり入って寝心地がいいといっていました。私も、送ったものが相手に本当に喜んでもらえるのが一番うれしいです。迷って、迷って思い切って購入した甲斐がありました。」


「本当でした.お客様の感想、大げさなんじゃないの?正直そう思っていましたが、なんだかわからないけど、本当にぐっすり眠れるんです。朝起きたら痛かった体も高さか硬さか、癒しの効果か、とにかくすっきりしてるし痛くない!なんなんでしょう?!こうして私も絶賛する仲間入りをさせていただくのでした。」



青竹踏み(足つぼ)を続けた結果、頻尿に効果があるのか?

色々青竹踏み


青竹踏みは日本古来の健康法のひとつで、足つぼを踏んで刺激を与えるだけなので、誰でも簡単に毎日の健康習慣に取り入れやすい。ある時、大学の泌尿器科の研究報告で頻尿の改善に役立つという報告されているのを知った。何でも、足裏の刺激が神経を通じて膀胱の働きを活性化し、血流が良くなるためらしいが、改めて青竹踏みのパワーを感じて毎日使ってみることにした。


青竹踏みの太さの違い


竹を半分に割っただけのように見える青竹踏みだけれど、さすが老舗竹屋だけあって竹虎には青竹踏みも数種類あって、それぞれに特徴がある。一番の大きな違いは直径なので、初めて青竹踏みで足つぼマッサージを試される方は、大きくてアールがゆるめの孟宗竹を使ったものをオススメするようにしている。直径の小さいモノは、少し小振りな真竹で製作するが、アールが急な角度になり足つぼをピンポイントで刺激するから、上級者用の踏王(ふみお)と言う商品名で販売して人気になっている。実は細めの竹踏みは、適材が少なくてインターネットで探してもあまり見当たらないのだ。


極細青竹踏み


ボクの場合は更に細い竹を選んで使っているのだけれど、足裏へのダイレクトな刺激が病み付きになってしまう。だから、自宅にも、職場にも置いてあり隙間時間でいつでも踏めるようにしている。そうして青竹踏み(足つぼ)を続けた結果、実は夜間に少なくとも一回はトイレに起きていたのが、すっかり最近は無くなって気がつけば朝になっている!


まだまだ若いつもり(61歳)だが、頻尿気味で飛行機やバスに乗る際に不安を覚えた事があるので、同じような悩みの方の気持ちが分かるようになった。たかがトイレではない、トイレのお陰で行動が制限されることの不自由さを知った。ところが、本当にそれが青竹踏みのお陰で解放された気分なのだ。


青竹踏み、竹虎四代目(山岸義浩)


頻尿や高血圧の改善効果を得るためには、朝晩に2~3分ずつフミフミするのをオススメしている。土踏まずをしっかり刺激し、かかとやつま先もバランスよく使うことで、より効果を感じることができる。テレビを観ながら、ハミガキしながら出来るので肩ひじ張らず続けられると思う。ボクなど一家に一台、常備されているのが普通と思っていた青竹踏みが、近年は忘れられつつあったけれど、こんな形で復活して「竹のある暮らし」が多くの皆様のお役に立てればと思っている。





楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024、三木谷会長兼社長

楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024サステナビリティ賞、竹虎


「そんなに嬉しいのか?」先週から楽天の話題ばかりなので、そう言われる。22年間も鳴かず飛ばずだった竹虎が、楽天内にあるNATIONSと言う勉強会で教えてもらった途端、出店者なら一度は夢見るであろう「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」を授賞したから素直に喜んでいるのだ。


三木谷浩史、竹虎四代目(山岸義浩)


高知県は四国四県の中でも、特に楽天出店者が少ないと聞いている。そのせいか57000店舗の中から、わずか0.25%という超難関の大きな授賞なのに、ボクの周りにはピンと来ていないヒトばかりだ。自然が豊かで美味しいモノ、優れたモノが多い高知は、ずっと前から地産外商と言ってきたはず、なのに、これでは「外商」ができていない証だろう。


楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024、竹虎


もちろん、インターネットだけが販路とは言わないし、楽天市場だけがネット通販でもない。ただ、地方に暮らす、弱く小さいボク達が、他の方々と同じ土俵に立てるのは此処以外ない。日本唯一の虎竹を知っていただく手段として最高のツールなのだ。


楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024、竹虎


そして、「ネット通販=楽天」と思っているお客様もいるほど圧倒的な存在感を持ち、強固な経済圏が確立されている楽天は、やはり一番の近道だと感じている。


楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024会場


現状に満足してビジョンを描けているのなら良いけれど、ボクのように今も苦しくて、将来に不安がある商人なら挑戦すべき。


三木谷浩史、竹虎四代目(山岸義浩)


竹虎は、楽天に救われた思いだが、同じように、今までどれだけ多くの地方に光を届けてきたのか。23年目にして、はじめてツーショットを撮らせていただいた三木谷浩史会長兼社長の横で思った。





楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024総合グランプリ「越前かに職人甲羅組(DENSHOKU)伝食」

田辺


創業文化三年の老舗「志保重」の清水雅彦さんから連絡をいただき、敦賀に講演にお伺いした時のことを思い出した。ボクはインターネット通販こそ究極の対面販売であり、自分のお客様をしっかり見定めないとダメだと考えいる。そこで、人前でお話する際には、熱血野球漫画「侍ジャイアンツ」で主人公のライバルとして登場するウルフ・チーフのことを、いつも例に出して話している。崖の上に槍を一本持ったウルフが、無数に走ってくるバッファローの群れにやみくもに槍を投げて失敗を続ける姿が、3年間もネット販売に取り組みながら、300円しか売ることができなかったダメな自分の姿に重なっていたからだ。


虎竹伐採


そもそも、虎竹は日本唯一の素材で、ボクたちは誰にも負けないつもりだ。どこにも無いような、良い竹製品作りをしているから、きっと売れるに違いないと勘違いしていた。画面の向こうに何千万人いようとも、自分の持つ一本の槍を、一人のお客様に向けて投げる事を知らなかったのだ。


竹虎工場


そんな何でもないような話を清水さんが覚えてくださっていて嬉しかったのだが、その講演会場の最後列の席で、もう一人、話を聴いてくださっていた方がいた。


講演会場


その方は、ボクが話を終えるやいなや立ち上がり、まるで人目を避けるように足早に会場を去って行った。数年前から交流があったので、アルバイトをしながら創業を果たしたばかりだと知っていた。だから、忙しく時間もない中、それでも勉強を欠かさない熱心さは、さすがだなあと感心していた。


越前かに職人甲羅組(DENSHOKU)伝食


あれから10年......。


彼の会社は急成長し、年商は130億円を超え、社員数も240名となった。先日の楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024で初の総合グランプリを獲得した「越前かに職人甲羅組(DENSHOKU)」の田辺晃司さんが、その人。テレビや映画でしか見られないようなことが、実際に目の前で起こっている。田舎にあっても、自分たちの価値を日本全国に直接お届けできる。やはり、インターネットの世界は素晴らしいと思う。