また奇跡が起こった!驚愕の竹四ツ目編み素地の技

一閑張り素地、竹四ツ目編


「なんだ、これは...!?」これだから、竹の仕事はやめられない。はじめて、この竹四ツ目編文庫を見た時には鳥肌がたって、しばらくは声も出せなかったほどだ。一目で分かる事がいくつかあったが、とにかく凄腕の職人技に、出会えた幸せに心から感謝した。


一閑張り素地、竹四ツ目編


編み上がったばかりなら青々としていても不思議ではない竹肌が、このような飴色に変わっているから随分と前の作品だ。しかも、仕上げの加工がされていない。手に取ると、竹節の部分に曲がりを防止するために焼きを入れる焼き留めがされている。これは一閑張りの素地だ!小躍りしたくなった(笑)。


一閑張り素地、竹四ツ目編


竹ヒゴのあしらいは、じっくり見てもやはり素晴らしい。この辺りの真竹は、祖父の頃から品質が高いと音に聞こえていた、その竹の表皮を丁寧に薄く薄く剥いだ「磨き」と呼ばれる技法で仕上げている。磨き細工は、紫外線にあたるほど色合いが変化する。真っ暗な倉庫の中に、しっかりと箱に入れられていたので、製作年代はもっと古いと思われるのに経年変色は少し浅めだ。


一閑張り素地、竹四ツ目編


何より驚くのは、四ツ目文庫の蓋を開けた時だ。持った時の質感から入れ子になっているとは思ったけれど、その内側の文庫が、外側の竹枠にピタリとはまっているので惚れ惚れした。何という竹の技だろうか。なるほど、これだけの職人技が埋もれてしまっているのは惜しい、ボクがここに引き寄せられた理由が分かった気がする。


この職人の方には、お会いした事もないけれど、思いを引き継いで一閑張り文庫として完成させ、世に出さねば。そればかり考えながら虎竹の里に帰ってきた。





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