一体どうなってしまうのか?本当に手直しできるのか?と本気で心配していた竹魚籠修理が完了した。あの壊れてしまっていた本体編みや、底編みが、本当に信じられないくらい綺麗に編み込まれて修理されている。完全に死んでいた竹に、新たな生命が宿ったと言っても全然大袈裟ではない。本当に生まれ変わったような出来栄えに大満足している、やはり熟練の竹職人は素晴らしい。
特に今回良かったのは、古くなり渋く経年変色している竹ヒゴに、虎竹模様が上手くマッチしている事だ。竹ヒゴを継いで編み足しているのが、実に自然な感じに仕上がっている。よくよく注意して見たら、虎竹特有の色合いが見て取れて格好がいい。
口巻も新しい竹で巻き上げている。白い竹肌が、これから年月を重ねていく中で深い色目に変わっていくの楽しんでいただきたい。
実は、この魚籠は早速お客様のお手元に届けさせて頂いている。美しい出来あがりを、少しでも早くご覧頂きたかったのだが、受け取ったお客様からこんなご感想をいただいた。
箱を開けて驚きました。とても丁寧に心を込めて修理をしていただき、感激しております。本当にありがとうございました。私は、若い頃から西洋のフライフィッシングをやっているのですが、愛用している竿は数十年前にアメリカの竿師がトンキン竹で制作した素晴らしいロッドたちです。そのような訳で、私も竹の魅力に惚れ、その恩恵にあずかる1人でして、このたびのご縁をとても嬉しく思っております。春になったら、また魚籠を腰に提げ、竹竿を手に渓流釣りを楽しみたいと思います。
(お客様からのご感想)
手直しした魚籠が活躍する季節、春を待つ楽しみが又ひとつ増えました(笑)。
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