竹串と一口の言っても、実は色々と種類がある。丸串、角串、平串、鉄砲串、松葉串、魚串、半月串、団子串、おでん串、銀杏串...料理にあわせて、食材にあわせて、その品数と同じだけあるから多種多様だ。しかし、これだけ沢山あっても、それでは日本の竹を使った国産は?と言えば、ほとんどない。
老舗の焼鳥屋さんから、こんな形の鉄砲串が作れないかとお問い合わせを頂いた。持ちやすく平らな形の串だから、つくね等に使われているのではないだろうか。今まで作っていた職人さんも、家族構成を聞くだけでピンとくる、それだけ竹の世界は狭い。ご高齢なので竹伐採は難しくなったに違いない。
「この竹串、この竹楊枝、日本一だね。」そう言って、まるでボクに託すように渡された一本の串、まるで昨日の事のように思い出されて、この動画を観る度に胸が締め付けらる。もう何年も前に、現場を引退された熟練の職人さん達、作ることのできなくなった竹串たち。
竹を叩いて割る音、向こうから聞こえる幼い頃から耳に焼き付いている竹鋸の音。この竹工場は戻ってこないけれど、国産で出来ることが、まだまだあるはずだ。皆さんが思う以上に空洞化している、日本のモノ作りを何とか奮い立たせ、少しでも日本の竹を使いたい。
主に業務用として使われる竹製品は、焼鳥を焼いている本人が使いたいと思いながらも、数字が重たくのしかかる。どうしても、安価な海外のものに流れてしまいがちなのだ。だから、せめて大量に消費される隙間にある、小さいけれど、こだわりのある竹串を提供できればと思う。
そう言えば、竹の爪楊枝をご存知だろうか?強さが全く違うのでボクは手放せないので、ずっと復刻を目論んできた。ファンの皆様、お待たせしました、国産竹楊枝もうすぐご紹介予定です。
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