その竹林の先の未来へ、虎竹の里から

日本唯一の虎竹


高知県須崎市安和の虎竹の里では、新年の来月下旬にかけて、1年分の虎竹を伐採し、山から運び出す「山出し」が行われている。今年の虎の模様はどうだろうか?この作業は、熟練の職人たちが急勾配で足場の悪い竹林で一本一本丁寧に竹を伐り出すという、大変でありながらもやりがいのある仕事だ。


虎斑竹


それにしても、竹林に広がる凛とした空気を吸い込みながら作業をする時間は、心を落ち着かせてくれる。一本、また一本と美しい虎柄模様に出会うと苦労が報われたような感動すら覚える。


虎竹


そして何より、伐採した虎竹が、様々な製品に生まれ変わり、全国の多くの人々にお届けできる事を想像すると、自然と笑顔になってくる。この竹が、どこかで誰かのお役に立つ日を来ると思うと、竹林での汗も心地いいものだ。


虎竹


虎竹伐採は、単なる作業ではないと思っている。少なくとも江戸時代から続いてきた伝統を守りながら未来へつなぐ大切な営み。その中には、自然への感謝と敬意が込められており、ボクたちに自然と人とのつながりを改めて教えてくれる貴重な時間とも言える。


tiger bamboo


虎竹の竹林は、窒素、リン酸、カリウムをバランスよ含んだ粘土質の赤土土壌で、竹の根がはりやすく大きく育ちやすい。陽射しの差し込む竹林で伐り出した虎竹は、運搬機を使い、トラックに載せて選別場まで運ばれる。選別場では、太さや品質、用途に応じて一本ずつ手作業で選別され、適切な保管場所に収められるのだ。


tiger bamboo


虎竹伐採に携わる職人たち仕事が、虎竹製品の品質を支えている。もし、虎竹製品を手に取る事があれば、その背後にある自然との共生の物語に思いを馳せてみていただけると嬉しい。



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