虎竹の里には極端に少ない日本最大級の孟宗竹も、日本中どこに行っても目につく山々には生えていて、強い生命力と驚異的な成長力で青々と繁っている。せっかくの継続利用可能な天然資源が、活用される事がなくもったいない、竹が泣いているとお話しさせてもらうけれど、ひとつ注目の竹利用の方法がある。前にもお話しさせてもらっているが、実は、それが牡蠣養殖に欠かせない養殖筏(いかだ)だ。
竹伐り一筋40年のベテラン職人さんに孟宗竹の竹林で伺った話を思い出す。海に浮かべる養殖筏となれば、ある程度の強度が求められると思うが、中が空洞になっている竹の浮力と、身が厚く硬さをも併せ持つ孟宗竹なら理想的な素材なのだ。
旬を迎えている牡蠣は、フライにしても鍋にしても本当に美味しい。海のミルクと聞いた事があると思う、病原体から体を守る免疫機能細胞は亜鉛が不足するとうまく働かないそうだが、亜鉛を豊富に含む牡蠣を食することで風邪などの感染症対策になると言うから、まさに今の食材。今夜の食卓に牡蠣がならぶ方がおられたら、是非、海から遠く離れた孟宗竹の竹林にも思いを馳せていただくと嬉しい。
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