早いもので今年も虎竹伐採の季節がやってきた。虎竹とは、表面に虎皮状の模様があり、全国でもこの地域でしか成育しない珍しい竹だ。虎竹の伐採、そして山出しは、高知県須崎市安和の虎竹の里で毎年晩秋から1月下旬までのシーズンに行われる。この期間に、一年分の材料が山から運び出される。
虎竹は良質な親竹を残しながら、間引きされながら、伐り出される。伐採された竹は運搬機で山を下っていく、運搬機は曲がりくねった道でもスムーズに竹を運ぶ事ができるように改良されている。虎竹は地域の宝であり、この伝統的な作業には、多くの人々の手間と情熱が注がれてきた。
竹林での伐採、山出し、土場での選別を経て工場に入ってきた虎竹は例外なく油抜きという加工が施される。700度の高温になるガスバーナの窯に入れて余分な竹の分を取り除くと共に耐久性を高め、独特の虎模様を美しく浮かび上がらせるのだ。今年最後となった虎竹の油抜き作業を動画にした、百聞は一見にしかずだから、油抜きした時の熱を利用して竹の曲がりを矯正する「矯め直し」工程にも注目してご覧いただきたい。
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