伝説の白竹三段弁当箱

白竹三段弁当箱


数年前にお仕事を引退された竹職人の三段弁当箱が凄い。本体の一段目は、通気性を考慮して四ツ目編だけれど、二段目、三段目は波網代で仕上げられている。これだけの手の込んだ作りでいながら、最後までお求めやすい価格で提供続けられたのは、長年の卓越した技術からくる美しさと、仕事のスピードに他ならない。


それにしても、真っ白に晒された白竹が、このような飴色に変わるまでには一体どれくらいの年月が必要だろうか。この二つは最初に作られた籠で、記念のために残されていたものだった。


竹三段弁当箱


丸型弁当箱の方の持ち手に注目いただきたい。通常の持ち手は全て角が90度に曲げられた角型ばかりだけれど、最初の籠は小さな火で炙りながら少しづつ丸い曲線にしている。丸型には良く似合う持ち手だが、手間がかかりすぎていた。そこで、さすがプロの達人は切り変えは早く、すぐに角型に曲げた持ち手に切り変えた事により、多くの方に手にして頂けるロングセラーの籠になった。




網代編みの三段弁当箱は姿を消しても、豆腐籠をルーツに持つ角物細工、白竹三段ピクニックバスケットの技は受け継がれ、今日も製作されている。



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