竹虎には、環境意識の高いお客様が多いので、成長が早く環境に優しい竹材に関するお問い合わせを頂いている。そんな中に、竹トイレットペーパーに関するご質問があった。「放置竹林の循環を目指す...」とあったそうで、現在国内で問題となっている竹林活用の解決に繋がるのでは?との事だったが、結論から言うと残念ながらご覧になられたものは輸入品であり、今のところ国産の竹でトイレットペーパー用の紙を製造するのは、竹材確保が容易でなく難しいのではないかと思う。
何を隠そう、高知は土佐和紙の伝統が息づく土地柄なので、自分達も虎竹を使った、虎竹和紙を作った経験があるので紙作りには関心がある。15年ほど前だったと思うが、日本で唯一竹紙の製造をされている鹿児島の中越パルプ工業さんを訪ねた事がある。こちらには、地域の竹材を集める仕組みがあり、竹材を粉砕する大型施設、さらに見上げるような大量の竹チップの山があって驚いた。
竹活用のひとつとして、竹紙、あるいは竹繊維はずっと前から考えられてきた事だが、大量生産となると日本の竹林は簡単ではない。竹林面積が約16万haで東京ドーム2100個分に相当すると言われても、森林面積全体からすれば、わずか0.6%に過ぎない。その竹林が点在する山々も、実際に足を運べは急な斜面や整備されていない山道も多く、コストが引き合わない。日常的に使用する紙を、国産の竹で製造するのには技術革新、人の意識革新が必要だと感じている。
コメントする