良く見かける竹垣の一つに建仁寺垣がある。京都の建仁寺に由来している竹垣だが、縦割した竹を隙間なく並べているのが特徴で、目隠しとしては最適だ。竹虎でも、別誂えで製作する場合、この建仁寺垣をご指定される事が多く、やはりお客様にも一番知られている、代表的な竹垣なのである。
建仁寺の原料は、日本最大級の竹である孟宗竹だ。虎竹で製作させて頂くこともあるのだが、直径の小さな竹では割幅が狭くなり、平らに仕上げることが出来ない。
孟宗竹を6尺(180センチ)に切断し、切り込みを入れている。これを一枚づつの長い竹板にして、竹節を取り除いた後に湯抜きする、青々とした色合いは、この工程で白っぽく変色する。
これを、広々とした土場に天日干しして建仁寺は完成する。近年は、竹伐採の職人や加工の職人不足から竹材が足りなくなりつつあり、ひとつの課題となっている。
輸入竹材やプラスチック製品ではなく、いつまでも国産の建仁寺垣が普通に製作できるような日本の竹であってもらいたい。
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