世界竹の日(World Bamboo Day 2024)

世界竹会議台湾


は、持続可能な資源として注目されており、建築、製紙、繊維、エコロジー等さまざまな分野での利用が進んでいる。そんな竹の利用促進、研究、継続的な管理についての議論や情報交換が行われているのが世界竹会議(World Bamboo Congress)という国際的な会議だ。今年の4月に、台湾で開催された第12回世界竹会議(World Bamboo Congress Taiwan)には、前回のメキシコ大会に続いて虎竹製EV「竹トラッカー」を運んで会場を疾走させてもらった。




台湾には、良質の竹材があり、その竹材資源活用の研究は日本より数段進んでいる。かつての日本もそうだったと思うけれど、人と竹の距離が近くて、竹に親しんでいる方が多いようにも感じている。なので、世界竹会議にも興味を惹かれる面白い竹製品が多々あり楽しかった。


青竹踏み


さて、今日は、そんな世界竹会議で制定されている「世界竹の日(World Bamboo Day)」だ。竹は東南アジアだけでなく、南米やアフリカなどにもあり、それぞれの国や地域での活用が期待されている。そんな竹を世界的に見直してもらいたいと願いを込められた9月18日に、竹虎がご紹介するのはシンプルな青竹踏み


青竹踏みは、丸い竹を半分に割っただけの素朴な製品なので、誰が見ても竹だと分かる所がいい。そして、自宅に竹があることで少しでも親しみを感じていただけるのではないかと思っている。そもそも、日本では昔から身近な健康グッズとして一家に一台は普通にあったものではないだろうか。




竹を半分に割っただけと言ったけれど、実は量産しようとすると、竹の伐採から管理までとても大変な製品だが、自分達は青竹踏みを使うリズミカルで楽しい体操を考案してまでオススメしている。見直してみると、かなり恥ずかしい動画でもあるけれど世界竹の日のなので特別公開(?)だ(笑)。



竹虎通信247号

竹虎通信


思えば、長く続いている「竹虎通信」。今回ので247号となるけれど、第一号は2002年の9月だから既に22年も続けている事になる。毎月発行していたものが、昨年からは季刊にさせてもらった。見栄えは時代によって、ずっと変化し続けてきたものの虎竹への気持ちは変わらない。


虎竹


いや、そんなに器用ではないので変えられないのが正直なところ。竹のように真っ直ぐにしか出来ないのだから仕方ない。




今年の猛暑も、さすがにこれからの季節は少しづつ鳴りを潜めていくだろうから、キャンプなど屋外に出かけられる方にも竹竹ピクニックバスケットやランチボックスは、ご覧いただきたい。



虎竹蛇篭のその後

虎竹蛇篭、竹虎四代目(山岸義浩)


蛇籠とは、円筒形に編んだ竹に石を詰めて河川の護岸などに用いられていた。最近は集中豪雨が各地であるから、日頃は美しい流れが一変して増水する川の恐ろしさは皆様よくご存知だと思う。そんな激流に耐えて使用されてきたのだから、竹の強靭さは凄いものがある。


虎竹蛇篭


もちろん、近年では竹の代わりに鉄線が使われているけれど、基本的に昔と変わらず護岸用にされているのを見かける。


虎竹蛇篭


さて、そんな蛇籠を虎竹で製作する事になったのだが、中に入れるのは石ではなく人だ(笑)。


虎竹蛇篭


職人みずから中に入って、寝心地を確かめている。


蛇籠


立ててみると、こんな感じ。内側に和紙でも貼って灯りがついたら、大きな提灯になりそうだ。


虎竹蛇篭、竹虎四代目(山岸義浩)


自分も負けじと入ってみるけれど、不自由さよりも、竹編みだから心地がよい。


虎竹蛇篭、竹虎四代目(山岸義浩)


こうして捕らわれの身のまま、一体とごに運ばれるのか?その後のことは来春公開(ずいぶん先で申し訳ございません)。



竹笠の夏

竹笠、流鏑馬笠


地球温暖化なのか、確かに気候が変わってきている。夏が早くやってきて、もう9月も中旬だけれど、まだまだ続く気配だ。外で働く方を中心に、今年はファン付きベストをあちらこちらで見たような気がする。やはり、それだけ気温が高い証拠かも知れない。


クバ笠


夏に欠かせなくなった竹を使った笠は、昔から日本各地で色々と編まれてきた。職人が少なくなり製造数は減っているものの、このクバ笠のようにまだまだ伝統は続いている。


竹皮笠


水に強く素材が何処でも手に入った竹皮は、笠にも多用されてきた。菅笠のように、細い竹ヒゴを回して本体の骨に留められている。


托鉢笠、竹虎四代目(山岸義浩)


網代編みの竹笠では、まず托鉢笠。一般的に使われるものではないから、個人的に使用しているのは日本でも自分くらいだろうか(笑)?


竹網代笠


竹網代笠は、海外出張にも持参するようになった。暑いのは日本だけではない、世界的に必需品なのだ。


竹帽子


ひさしの広い笠の方が涼しさは抜群なのだが、動きやすいのは、やはりツバの小さな竹帽子だ。これなら、人混みにも歩いていけるし、車の運転もできる。


菅笠


そうなのだ、実際に都会では電車乗ったり人との距離が近いことが多く、笠が邪魔になってしまう事がある。




そこを逆手にとって開発したのが、ウィズコロナ(COVID-19)時代のソーシャルディスタンス帽子!暑さ対策にはなりません!


虎竹クロッシュ


そうそう、それと先日できあがったばかりの虎竹フードカバー、これは帽子ではありません。





竹皮おにぎり弁当が雑誌「mono」に掲載されました。

国産竹皮


皆さんが何気に「竹皮」と呼んでいるのは、正確には筍の皮の事だ。筍が生えてから、わずか3カ月程度で十数メートルの竹に成長するまで、筍は竹皮を脱ぎながら大きくなっていく。毎日、驚くようなスピードで高く伸びる竹の根元に残されているのが竹皮と言うわけだ。


国産竹炭で炊飯


糖質ダイエットが随分前から言われていて、自分もお米やパンをできるだけ控えるようにしているけれど、実は最近、玄米おにぎりの美味しさに目覚めて良く食べている。玄米も白米も、糖質量はあまり変わりはないようだ、しかし、血糖値の上昇の早さに違いがあり、食物繊維も豊富だし、電子レンジで温めるだけの手軽さもいい。たまに、白米もやっぱりイイ(笑)、竹炭を入れて炊いたご飯は格別、日本人に生まれて良かったと思ってしまう。


おにぎり特集


虎竹おにぎり弁当箱と、国産竹皮を掲載いただいた雑誌「mono」は、そんな日本の食文化の原点のような表紙になっている。


竹皮弁当雑誌掲載


竹編みの弁当箱だけでなく、現在はほとんど輸入品ばかりになっている国産竹皮も見直されると嬉しい。乾燥していると硬く手使いづらく思える竹皮は、水に湿らすと柔らかくて自然素材の素晴らしさを感じていただける。





古民家の囲炉裏で生まれる煤竹について

煤竹菓子楊枝


別注で製作された煤竹菓子楊枝は、お客様にも喜んで頂いているが、煤竹がせっかく出て来たついでに少し竹材についてお話しさせていただきたい。


囲炉裏、竹虎四代目


囲炉裏の生活は、今や贅沢で料理屋か高級旅館など、ごく限られた所でしか目にすることはないのではないだろうか。毎日の煮炊きや暖房に使われていた時代は、家中に煙が漂い天井裏に使われていた竹材が知らぬ間に燻されていた。


煤竹


煤が付いて真っ黒になった竹を洗い、火抜きすると残っていた油分で、このような自然の光沢が生まれる。




何と数年前までは、この煤竹はじめ銘竹が田園の広がる民家の倉庫で市が開かれ取引されていた。


染め竹


染め竹と煤竹を間違えられる方もいる、炭化竹といって熱と圧力で短時間で煤竹状にした竹材もあるけれど、長い年月を経て自然に生まれる煤竹には及ばない。


渡辺竹清作煤竹バッグ


そんな煤竹で編まれた究極のバッグ、網代編みの巨匠である渡辺竹清氏がてがけた最後のひとつだ。


携帯竹箸


同じ携帯箸でも、煤竹は存在感が違う。





別注の煤竹菓子楊枝

煤竹菓子楊枝


少し長めのサイズにした、別注の煤竹菓子楊枝を定番の横に並べてみた。少し大きさが異なるだけでも雰囲気が随分と違ってくるから面白い。お客様のご要望に応じて、数本でも製作対応できるのは、加工性の高い竹ならではと言える。煤竹も自然素材だから一本一本それぞれに、色合いの濃淡や質感に個性がある。


古民家、茅葺


そういえば、皆様は煤竹の事をご存知だろうか?30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」も長く書かせて頂いているから、常連の方々には常識かも分からないが、若い方に煤竹と言っても未知の生活様式(自分も囲炉裏で生活した事はありません)から生まれる竹だから、知らないのが当然だろう。


囲炉裏


煤竹は、昔の茅葺屋根の古民家にある囲炉裏の暮らしから自然とできた竹なのだ。いつだったか、山深い一軒家を訪れると囲炉裏があってパチパチと音を立てていた。室内は、燻された香りに包まれ何とも懐かしくて、いつまでも座っていたくなるような癒される気持ちになったものだ。


古民家天井


昔の住宅の天井には、このように竹材が多用されている。太いものもあれば、細い竹材、あるいは、割った竹材なども見た事がある。


屋根裏煤竹


囲炉裏では毎日火が焚かれるので、これらの竹は100年、200年という長い年月の間に煙に燻される。煤がついて真っ黒い煤竹が、こうして誕生するのだ。


煤竹


縄で縛られた部分には、直接に煙が当たらないから色目の濃淡が自然と出来あがる。古材なので、全ての竹が加工に向いている訳ではなく、それぞれ使える竹材を厳選して使われる。そう思えば、小さな菓子楊枝も愛おしく思えてくるのではないだろうか。



虎竹クロッシュが新登場

虎竹フードカバー(クロッシュ)


クロッシュ(cloche)をご存知だろうか?多くの方は、呼び名は知らずとも一度くらいは見た事があるのではないかと思う。西洋料理で、温かさや鮮度保持のためにかぶせている銀色のカバーがそれだ。クローシュとも呼ばれているようだが、フランス語で釣鐘の意味で、まさに帽子のようにも見える独特の形でテーブルで異彩を放っている。


虎竹ドームカバー(クロッシュ)


主に銀製である事が多いけれど、ガラスや大理石、ご家庭ではガラス製が一般的だと思う。ところが、やはり、ここは虎竹の里、普通なら銀製のドーム型の蓋さえも、やはり日本唯一の虎竹製なのだ。


虎竹丸皿カバー(クロッシュ)


職人が遊び心で製作した虎竹クロッシュ、金属やガラスなど冷たい素材と違って温かみがあるのが一番の特徴だ。


虎竹フードカバー(クロッシュ)


更に通気性の良さが機能面で大きく異なる、果物やパンなどの保管には向いていそうだ。


虎竹フードカバー(クロッシュ)


面白がって製作してみたクロッシュだが、案外虫除けなどに活躍しそうで期待している。