輸入竹ざるの縁巻修理の依頼について

輸入竹ざる


海外で作られた竹ざるの修理依頼を頂いた。皆さまには馴染のある竹ざるなので、この竹細工が輸入だと聞いて驚く方もいるかと思う。もしかしたら、日本製でも海外の製造でも、まあり意識されてない事もあるかも知れないが、恐らくこの竹ざるは国産だと思って使われていたのではないかと思う。それくらい、近年では、海外のものだから品質が悪いとか、粗悪という事はなく、また価格的にも国産と同じくらいになっているので見分けがつきにくくなっているものがある。


国産と輸入竹ざる


けれど、この竹ざるに関していえば比較的に分かりやすく、竹ざるの縁巻が自然素材ではなくポリプロピレンという合成樹脂だ。熱画像左がPP(ポリプロピレン)だが、使い込んでかなり傷んでいる。左の天然籐と比べてみると違いが分かるけれど、単体で見たら微妙なシワや光沢が竹に馴染んでいて違和感がない。


竹ざる経年変色


竹ざるの本体部分は竹編みなので経年変色が美しくみられるのは国産竹ざると同じだ。


輸入竹ざる


ところが、縁巻をポリプロピレンで巻き直すとなると当社などには素材がなく修理はできない。熱に強く、耐久性も高い素材なので大きな飲食店などでは重宝され、個人のお宅でも多用されている竹ざる、開発された竹職人さんは素晴らしいと思う。このような高品質な輸入の竹ざるに、伝統の国産竹細工も刺激を受けて進化せねばならない。





コメントする