昭和の虎竹買い物籠バッグ

虎竹買い物籠バッグ


昭和の日本なんて言うと古臭く思われるだろうか。当時は、竹籠バッグを持つ主婦の姿が本当に当たり前で、日常的な光景だった。自分も、母が竹籠バッグを提げて近所にあった万屋に買い物に行くのを良く覚えている。当時の主婦の方々にとっては、市場や商店で買い物をする際の必需品であり、生活の一部として親しまれていた竹籠バッグ。籐もあったけれど、多くは耐久性に優れ通気性が良く、軽量な竹籠だった。


虎竹買い物籠バッグ


冷蔵庫は、もちろんあったけれど毎日新鮮な食材を求めて市場等に出かける事が一般的だったのかも知れない。そのため、竹籠バッグは現在のようにエコフレンドリーだとか、ファッションではなく、実用的な道具として一家に数個あり、ライフスタイルに密接に結びついていたのだと思う。ビニール袋などの普及で、いつの間にか竹籠バッグは姿を消したが、竹虎では懐かしい定番の楕円形と丸型の二種類を虎竹手提げ籠として復刻して販売させてもらっている。


虎竹買い物籠バッグ


通気性が良く、生鮮野菜や果物の持ち運びに適しているのは今も同じで、ご愛用の皆さまからは嬉しいお声をいただく事がある。そんな中で、「良い竹籠を持たれていますね」とお声を掛けてもらうというお客様からのハガキを何度か拝見した。昭和の時代でも、商店街や市場での買い物は、単なる食材の調達だけでなかった。地域の人々と顔を合わせ、コミュニケーションを取る大切な時間でもあり、竹手提げ籠が地域社会とのつながりの象徴でもあったように思う。昭和の時代のノスタルジックな価値も併せ持つ竹籠が、新しい人と人との繋がりを大切にするアイテムとなり、多くの方に愛され続けるようにしたい。





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